第14話 【新たな関係】エピソード13

107. 学校校長室 同日 昼 5月 高3

   ソファー、ののみパパ・ママと愁父が座っている。

   校長机に座り、PCを操作している。

校長 「だいぶ派手に恋愛してるようですね」

   立ち上がり、机の前に移動して、PC画面を反転させる。

   PC画面

   二人に関する投稿!二人が愁の家に出入りする写真など

   過去の二人の行動がアップロードされている。

校長 「高校生なのに同棲しているのを確認したと担任から報告

   がありました・・・」

   うろたえる両親(お互いの顔を見る)。

校長 「教育委員会が・・・このような問題ある生徒の卒業、

   進学に関して・・・」

ののみパパ「(立ち上がり、校長を遮って)待ってください!、

   ののみは、嫁にやったようなものでして・・・」

愁父 「えぇ、いい嫁さん・・みたいな感じですよ」

校長 「ご結婚されている?・・・それでしたら、問題ないですよ

   、夫婦は・・・そらゃぁ一緒に住むのは当然です

   からね・・・(ウインクする)」


108. 愁の家・リビング 夜 5月 高3

   ののみと愁、ののみパパ・ママ、ソファーに座っている。

   愁父が二人のそばに立つ。

   愁とののみの前に、おかれた婚姻届。

ののみパパ 「二人ともサインしなさい(ペンを愁に渡す)」

   愁とののみ、顔を見合わす。


109. 橋の上 回想 朝

   橋にたたずむののみ、追ってくる愁。

愁  「ののみ!」

   振り返るののみ。

ののみ「愁君・・・」

   近づく愁。

愁  「やっぱりきてくれた」

   愁に飛び付こうとするののみ。

   寸前で避ける愁。

ののみ「あは、愁・・・」

愁  「ののみの思い通りには成らない」

ののみ「ちぇっ、読まれてる」

   ののみに愁の石を渡す愁。

ののみ「連れ戻すんでしょ」

   欄干から橋の下の川の流れを見る愁。

愁  「・・どうしようかな・・・」

ののみ「連れ戻すよね」

愁  「(ののみをガン見)誓う、離れないって・・・いい?」

ののみ「(愁をガン見)誓うよ、離れない・・ダイヤじゃなくて

   いい?」

愁  「原石がいいかも」

   ののみの肩を両手でつかんで、自分の胸に強く引き寄せる愁。

ののみ「・・・苦しいよ」

愁  「超強力なんだろ」


110. 愁の家・リビング 回想戻り 

ののみママ 「学校・・・卒業出来なくなるのよ」

愁父  「こんな形で急なことになって、申し訳ありません

   (ののみパパママに向かって)ののみちゃんを大切に

   します」

ののみパパ 「もちろんです、箱入りですよ」

愁父 「進学が決まったら、式は派手にドカンと、かまします

   から」


111. 同 回想・数日前

   ののみと久美、貴、健、玲奈が集まっている。

友達 「おめでとう」

ののみ「愁君、18歳、お誕生日おめでとう」

   ののみ、造った特大ケーキを運ぼうとして、つまずき、

   愁に・・・。

    XXX

   崩れたケーキの破片にたてた、ロウソクを吹き消す愁・・・。


112. 同 リビング 回想戻り

   愁、覚悟を決めてサインし、ののみに回す。

   ののみ半泣き。手が震えてサインする。涙が1滴婚姻届に

   落ちる。

   婚姻届のうえで、涙が落ちて砕けて、きらめく。

   婚姻届けを見る愁、文字がにじんでいる。

愁  「書き直しだな・・・」

   愁にそっと耳打ちするののみパパ。

ののみパパ 「あの約束の事だが・・・、結婚式までは待ってく

   れるよね!」

    XXX

   回想 愁の家のリビング

ののみパパ 「Aまでにしてくれるよね・・・」


113. 役所 数日後、 6月1日 高3

   窓口 6月1日の掲示

   着物姿のののみ、愁。

   婚姻届を窓口に出す。


114. お寺 同日 その後 6月 高3

   本堂の中、お祈りする愁とののみ。

    XXX

   本堂の裏、ののみ、前に立つ愁。

   愁、ののみのほほを両手で挟んで。

愁  「いいか、絶対内緒だからな!もし漏らしたら、

   即離婚だ!おまえの友達は、直ぐシェアしちゃうからな!」

ののみ「ジューンブライドだね、女神の月・・・」

   泣いてしまうののみ。

愁  「眼薬隠してる?」


115. 愁の家作業場 別の日 6月 高3

   作業場、愁父とののみ

   ののみは拾った石を機械で磨いている。

愁父 「これガラスだな、ビンかなんかの割れたのが、川に

   流れるうちに丸くなったんだな」

    XXX

   回想 フラッシュバック 河原

   もらったネックレス(アメジスト)をみるののみ。

愁  「この川の上流でも、見つかった事あるそうだ」

ののみ「流れてきてるかも」

愁  「キラキラの砂のなかにあるかもな」

    XXX

ののみ「ガラスですか(残念)、でも綺麗」

   磨いたガラスに紐を通すののみ。

   愁父に見せながら。

ののみ「できた、恋玉、恋のたましい」


116. 滝 別の日 6月 高3

   滝に打たれるののみ、ガラスのお守りを握っている。



117. 愁家、愁の部屋のまえ 朝 6月 高3

   愁にガラスのお守りを渡すののみ。

ののみ「引退試合、頑張れ愁!」

   キスしようとするが、ドアが閉まり、顔面をぶつける!


118. 試合会場グラウンド 同日 6月 高3

   愁のアシストでゴールを決める健。

   手を振って応援している玲奈。


119. 神社石段 同日、同時刻 6月 高3

   パワースポットの石段で、気を送っているののみ。


120. 愁の部屋 日替わり 6月 高3

   机、並んで勉強する二人。

愁  「このページからここまで、書写すこと、神も仏もない、

   自分の力のみしか頼れないんだぞ!受験は!」

ののみ「教えてもらってごめんね、愁君の勉強時間短くさせて」

愁  「いいよ、まあ、教えるのも復習になるから・・・」

ののみ「(はっとして)相乗効果!恋の相乗効果!」

愁  「相殺・・(眉をひそめ)されちゃってるけど・・」

ののみ「葬祭!、冠婚葬祭、冠婚・・・、ウエディングドレス

   着たいなぁ」

愁  「白無垢(ペンを振る)断然、白無垢!」

ののみ「爺クサ!愁君爺クサ」

愁  「COOLジャパン!だろ、(ノートを指差し)ここまた

   間違ってる、弱点克服しないと、点積みあがらないぞ」

   ノートに赤ペンで×を書く愁。

ののみの声 「相変わらずスパルタだなぁ(半泣き)」

   横を向いて、目薬を差す(涙がこぼれる)。

   目の下、指で涙のポーズをする。

   無視してノートを添削する愁。

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