第10話 【ビターデート】エピソード9
63. お寺前 秋、早朝 10月 高2
朝日が射してくる参道ののみと愁。
方向が変わってる(回っている)柱を見る二人。
愁 「この柱大地震で回ったんだって!でも建物は大丈夫だった
んだ、この基礎石も動いてない!建物の基礎は絶対石
なんだ」
ののみ「コンクリートじゃないの?」
愁 「コンクリートも元は石だょ、石を砕いて作ってる、
コンクリートが固まるとすごい強くなるだろ、でも科学的に
原理は解明されてないんだぞ」
ののみ「石って凄いんだね!もっと石のこと知りたいなあ」
愁 「(変わってるな)・・・」
ののみ「ねぇ、大地震て、いつ?」
愁 「江戸時代?」
ののみ「その時、どんな被害があったのかな?、その時の事が分か
れば、また地震があったときでも、被害を少なく出来るんじ
ゃない。」
愁 「災害は繰り返すからね」
ののみ「近くの山で海の化石が見つかるんだよ、地球ってどんどん
変わろうとしてるんだね」
愁 「変わろうとしてる訳じゃなくて・・・」
XXX
フラッシュ 境内 点描
写真をツーショットや並んで撮ってもらう二人。
XXX
愁 「じゃ」
写真を撮り終わると、愁はいなくなってしまう。
XXX
境内にひとり写真を撮るののみ
キラキラしたものを探して写真を撮るののみ。
点描 お寺の中の飾り。お寺建物の金の飾り。土産屋の
土産品等々。
64. お寺近くの路上 10月 高2
愁の後、つける菜緒。
愁は女の運転するの車に乗り込んで走り去る。
菜緒、スマホを操作して、動画撮影する。
65. 河原(夕方) 10月 高2
ののみ泣きながら、河原に行く。
ののみが積み上げた石の塔が崩れている。
ののみ「愁・・今どこ?違うよね!」
泣きながら河原にしゃがみ込む、キラキラ光る石(?)を見
つける。
XXX
愁がやってくる。
愁 「泣いてる?」
ののみ「(愁を見ない)愁くんが女の車で・・・」
愁 「泣くな・・・俺の前では笑顔なんだろ」
ののみ「だって(顔を上げて)、愁・・・他に年上の好きな人
が・・」
ののみの両ほほを両手で挟む愁。
愁 「女?・・・見てたの?」
ののみ「菜緒さんが・・」
愁 「はぁあ、いい望遠鏡もってんだな」
ののみ「・・・」
愁 「あれ叔母さんだけど・・・」
ののみ「・・・叔母さん?」
愁 「パパの妹、若作りしてるから」
ののみ「・・・オバ・・・サン・・」
愁 「これ、一緒に探してくれたんだぜ!」
袋の中は、リボンの架かった箱が入っている。
ののみ「何?」
愁が取り出して箱を開ける。
箱の中、蒼い石がトップのネックレス。
ののみ「(ドキドキ)」
後ろに回り、ののみの首に掛ける愁。
ののみ「この青って・・」
スマホの写真を探して見るののみ。
オオイヌノフグリが映った写真。
愁 「アメジスト分かる?」
高速半回転するののみ。
ののみ「私の誕生石、そうでしょ!、うそでしょ(震え声)アメー
ジング!」
ネックレスのトップを指に乗せて愁。
愁 「この青、中々なかった、石の意味知ってる?」
ののみ、スマホで検索する。
ののみ「美少女の化身(えぇ)まさに(私)・・・」
愁 「まだ、その後(スマホを覗く)・・・」
ののみ「愛の守護石、真実の愛を守る・・・(愁の顔をみ
て)・・・」
愁 「もっと後(スマホを覗き)」
ののみ「高まりすぎた情熱を穏やかに冷ます力・・・(愁の顔を見
る)・・・」
愁 「このくらいハイパワーなアイテムがいるんだよ、お前の
破壊力下げるには・・・」
ののみ、アメジストを握り締める。
ののみ「真実の愛を守る美少女ってことで、(愁の顔をみて)いい
ですか?」
久美 「真実の愛ねぇ~」
66. 水力発電所 屋外広場 (夕方) 10月 高2
石のベンチに座り、たこ焼きを食べる、久美とののみ。
ののみの首に青く光るネックレス。
ネックレスを触るののみ、無視する久美。
久美 「ののみが愁君を好きになったきっかけの事件、あれが
あったから、好きになったんでしょ」
ののみ「うん、それまでは私、心を閉ざしてて、恋もしたこと
なかった・・」
久美 「愁君に助けられてなかったら、死んでたかもなんで
しょ・・・」
ののみ「うん、河原で石探ししてたとき・・・」
久美 「川の水が、急に増えてきて、流されて溺れかけたとき、
愁君が助けてくれたんでしょ!」
ののみ「(うんうん)」
久美 「それで脳天キーーーーンってなったんでしょ、てかぁ、
何回聞いたか!耳にイカだよ・・・」
ののみ「(手を合わせ)ごめん、大げさ、過大広告・・
本当は・・・耳にたこ焼きだし」
たこ焼きをほうばるののみ。
ののみの声 「私の中では、大事件で・・」
XXX
フラッシュバック 回想 河原 3年前
中学生の制服のののみと中学生のジャージの愁。
こけて脱げた靴が流されるののみ、その靴を川から拾い
上げる愁。
XXX
河原 回想 続き
ぬれた靴を持ち、ののみを背負って歩く愁。
周られた腕で首を絞められ苦しそうな愁。
XXX
ののみ「あの時の背中の感じ・・・」
67. 公園 後日 10月 高2
公園で筒居、うろついている。
筒居 「愁、どこだ?」
やってくるみみん。
みみん「ののみ、どこ?」
対面する二人。
筒居 「やあ(待ちかねた)」
みみん「やあ、は~ん、そう言う事、べただね」
筒居 「いつまで、こちらに?」
みみん「今日行きます、それでは・・・」
行こうとするみみんの前に先回りして、振り向く筒居。
筒居 「あのさぁ・・・行くなって言ったら、行かないってことは
ないよね」
みみん「さぁどうかな?」
腕を出す筒居にタックルするみみん。
みみん「言えるなら、言ってみなよ」
受け止める筒居。
筒居 「俺を置いて行くな」
二人抱き締め合う。
みみん「こんなベタな展開でいいの?私たち」
筒居 「結構、遠かったよ、このゴール・・」
木立の影、覗くののみ。
ガッツポーズ・・空を見上げて溜息。
68. 愁の家、愁の部屋 10月 高2
並んで座り、愁に勉強を教えてもらってるののみ。
ののみ「サイトやアプリで日記かけるけど、やっぱり手書きが
いいよね、交換日記したいなぁ、交換日記・・・」
愁 「(にらんで)めんどくさい!」
ののみ「字が汚いの?解読が難しいパターン?」
愁 「宿題の字、読めてるだろう(ペンで机の紙をつつく)」」
ののみ「カップルアプリでも良いかな!(スマホを見る)」
愁 「別れたとき、余計辛くなる・・・」
ののみ「お別れは、データ消すだけだ・・・指だけ
(ため息)・・・」
愁 「ほら、ここ(ノートを指す)間違えてる、いいから、遊ん
でないで公式覚えとけよ!」
ののみの声 「伝わっているのかな?私の重い思い、別れ道またまた石の上にも三年なんて辛抱できないよ」
69. 愁の家、廊下
壁の十箇条を見ている愁。
五箇条が十箇条に増えている。
1いつもキレイで笑顔、
2先に起きる(平日)、
3男子とツーショット禁止、
4外出は事前報告、
5門限は7時、
6日記を共有する
7連絡は即反応、
8スマホチェック厳禁、
9GPSは切らない、
10みんなを大事にする
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます