第8話 【陣取り合戦】エピソード7
45. 愁の家(日替わり、夜) 夏 8月 高2
愁とののみの家族(愁父、ののみパパ、ののみママ)が集ま
ってリビングで会議をしている
愁父 「ほんとにいいんですか、うちは構わないんですが」
ののみパパ 「ののみのこと、よろしくお願いします!こいつは
言い出したら聞かない子でして、石頭でして、家出とか
されるより、良いかなと!」
ののみママ 「・・・」
ののみパパ 「(愁を見て)そんなに心配はしてないんだが、ただ
最近女性らしくなってきてね(ののみを見る)」
ののみ「やだー、パパ!」
手で顔を覆うののみ(指の間から愁を見る)
ののみパパ「だからなんだ・・これだけは、(愁を見る)愁君約束
してくれ、そのつまり・・・、あれの事だか、要するに
(A)までにしてほしいんだ」
愁 「・・・」
ののみ「・・・(照れ)」
愁父 「私が監視して守らせます!ご安心して下さい」
愁の顔を覗き込むののみ。
ののみの声「修君、反対しないのかな?」
愁 「・・・(黙っている)」
ののみママ「・・・」
46. 橋を歩くののみ
47. 愁の家 同日 夜 8月 高2
玄関に荷物をもって乗り込むののみ。
XXX
物置部屋を片付ける、手伝う愁父。
XXX
ののみの新しい部屋の中。
ドアの隙間から、部屋を覗いく愁。
机の上に、愁の石が置いてある。
48. 愁の家の前 8月末 高2
一緒に玄関から出てくるののみと愁。
ののみの荷物も持ち歩く愁。
ステップ踏むように歩くののみ。
(電信柱に人影)
49. 高校教室 新学期、休み時間 8月末 高2
机で話すののみと久美。 黒板に始業式の日程。
ののみ、久美に顔を近づけて。
ののみ「(小声)秘密だよ!、やだぁ、もちろん部屋は別だよ」
久美 「えっ、同居・・・マジマジ!」
(しぃ)唇に指を立てるののみ。
ののみ「(小声)休日は帰るから」
久美 「単身赴任のお父さん?」
XXX
回想 愁の家 リビング
家族会議の後、乾杯する家族たち。
XXX
ののみ「大人の色気みたいな、ェロモンでちゃってるから、愁君
我慢できるかな?」
久美 「フェロモンでしょ?・・・そこまでやるか」
ののみ「愁君がさ、私を好きなのは間違いないょ」
久美 「知ってる?男って尽くされると浮気しちゃうんだってね」
ののみ「ヤダーないよ、ねえこういうの、おっかみ・・・んぁ、
やっかみ!だ」
英語の参考書を見る久美。
久美 「She is seeking a happening」
聞き取ろうと右耳を向けるののみ。
久美 「お風呂で鉢合わせて、ヌードを見られたり、見ちゃったり
するハプニング期待してるんでしょ」
ののみ「残念!、愁君ち、職人さんもいるし、男女それぞれの
お風呂あるんだよ」
教室に入ってきて、机に座る愁。
愁の背中を見つめる久美とののみ。
久美 「愁君、鍛えてるのかな?」
ののみ「変な想像しないで・・・」
久美 「想像してるのは、ののみでしょ」
ののみ「・・・部室で着替えてるとこ見ちゃったんだ・・」
久美 「やっぱり見てるじゃん」
(顔を赤らめ)顔を手で隠すののみ
久美 「ののみは?・・・あぁ倒れた時!」
ののみ「えぇ見られた?・・・」
久美 「大丈夫、全部は見えてなかったから」
ののみの胸を触ろうとする久美。
ののみ「ガァー・・・」
爪を立て、久美の手を払いのけるののみ。
XXX
授業中、窓の外をぼんやり見るののみ、グラウンドに旋風が
舞っている。
ののみの声「・・・最近優しい言葉かけてもらえないなぁ」
50. 愁の家 洗面所
洗面台前に立つ愁。
愁 「ののみ、俺のタオル、使うのやめてくれる(切れ気味)」
51. 愁家 キッチン 後日 真夜中
冷蔵庫からパックを出し、コップに注ぐ愁。
愁、飲み物を飲みかけると、ののみがやってくる。
ののみ「おいしい?冷たくていいの?」
愁 「(一気に飲み干す)・・・」
ののみ「勉強?」
愁 「・・・ああ」
ののみ「そうだ、これ見て(スマホを操作し愁に見せる)」
男子とののみの写真。
愁 「誰?・・・」
ののみ「中学の同級生、今日ね、久々会ったんだ」
愁 「偶然・・・」
ののみ「・・・まあね」
愁 「で、元カレ?」
ののみ「どう思う?」
愁 「どっちでもいいけど」
ののみ「どっちでもって(落胆)・・・」
愁 「嫉妬とか束縛とか・・・時間の無駄」
ののみ「そんな(愕然)・・・」
愁、冷凍庫から、チューブアイスをだし、二つに割る。
愁 「(ののみにひとつ渡し)・・・彼氏居なかっただろ」
ののみ「(え!)知ってた」
愁 「ハハ(大笑い)・・・てかさ、かわいそう」
ののみ「(?)・・・」
愁 「これみなよ、巻き込まれ事故」
ののみのスマホを取り上げ、ののみに突き出す。
ののみ「うぅ・・・」
(写真)ののみのひじが男の子の腹に決まっている。苦笑い
で写っている男の子。
52. 愁の家、ののみの部屋 その後 9月 高2
モノトーンで統一されてののみの部屋。
ベッドでうつぶせで、もがくののみ。
ののみ「あぁ、うそは駄目、ばかばか私、・・あぁ嫌悪感、ただ
でさえ重い女なのに、嫉妬や束縛まで・・・」
顔を上げるののみ。
ののみ「自分に自信ないからだな・・・もっと愁君に認めてもらえ
る彼女にならなきゃ・・・通じ合わなきゃ」
紙に何か書いているののみ。
53. 愁の家 廊下 その後
壁に、色々な折り紙なとでデコレーションした紙を貼り出す
ののみ。
ののみ「じゃん!造ったょ」
彼女五箇条
1いつもキレイで笑顔
2先に起きる(平日)
3男子とツーショット禁止
4外出は事前報告
5門限は7時
ののみ「全く放置なんだもん、さすがに不安になるょ、あれ以来
キスどころか・・・」
XXX
回想 公園
キスをする二人
XXX
彼女五箇条を読む愁
愁 「いい歳こいて、門限7時って小学生かよ、それに早起きは
平日だけなんだ・・・」
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