第4話 【スコットホルム症候群】エピソード3
14. ののみの部屋(その夜) 6月 高2
机で日記を書くののみ。
ののみの声 「愁君!お弁当おいしかったかな?今度感想聞かせ
てね。今までの片思いの時とは全く違う、石の上にも
三年・・待った甲斐があった!」
おでこを指で触って、愁の石を押す。
XXX
ののみの妄想
愁 「俺のスーパーウーマン!愛しい人」
ののみを抱きしめ愁、キス・・・。
XXX
コインランドリーで洗濯しているののみ。
XXX
携帯プレーヤーにCD音楽を聴きながら録音しているののみ。
家でお弁当作っているののみ。
XXX
スマホにお知らせが一件、(送信先、久美)
「最近すぐ帰っちゃうけど、明日話せるかな?」
15. 雑居ビル エレベーターホールの前 (早朝) 6月 高2
椅子に座り待っている久美(16、高2)に(手を振り)合流
し隣に座るののみ。
久美 「学校中の噂になってるよ、ののみが宅配弁当屋とクリー
ニング屋してるって!」
スマホ画面をののみの眼前に突き出す久美。
スマホ画面 弁当を食べさす写真、愁にバックを押し付け
られる写真。
ののみ「・・・」
久美 「なんでこんなこと・・・」
スマホ画面をののみの前に、さらに目に近づけて。
ののみ「愁君のお世話焼いてるだけ!」
久美 「それが家政婦化されてるって言うんだよ」
ののみ「スーパーウーマンだって!」
ののみの顔を、まじまじ見る久美。
久美 「アラフォー主婦ですって顔してるし、生活感丸出し
だぞ・・・」
ののみ「愛って・・・辛抱だよね」
久美 「・・・」
拳を突き上げ、すくっと立ち上がるののみ。
カチューシャがずれるがおかまいないし。
ののみ「転がり出した石は、もう止められないんだょ、突っ走る
しかないのさ!」
見上げる久美。
久美の声「なんとかしなきゃ・・・」
愁の声「いいだろ、どうだって」
16. 愁の家 日替わり 6月 高2
脱衣室、愁と美眸(妹12)が言い争う。
美眸 「私のかごに、洗濯物入れないでって言ってるでしょ」
愁 「入れてないし・・・」
美眸 「親父くさいのが移る(かごをたたく)」
愁 「小学生の癖に色気づいてんなよ」
美眸 「小学生じゃないもん、中学生です~、この前なりました、
りっぱな女です・・・(洗濯機を指差す)自分でやってよね、
自分のは・・・」
愁 「洗ってもらえるから・・・」
美眸 「おばあちゃんにやらせないでよ、年なんだから」
愁 「ばあさんじゃないよ」
美眸 「誰に、(まさか)彼女とか・・・」
愁 「マネージャー」
美眸 「マネ・・・そんな事してくれるの」
愁 「弁当も作ってくれるし」
美眸 「なにそのマネージャー?」
17. 学校講堂 朝 6月 高2
ひな壇、幕の裏に隠れるののみ。
探しに来た愁。
愁 「逃げるな、バック(バック持ち手を引っ張る)」
ののみ「・・・(さらに奥に隠れる)」
愁 「バック・・・」
立ち上がるののみ。
ののみ「私、家政婦なんて嫌!石に立つ矢と思ったのに!」
と、愁の胸にバックを押し突けるののみ。
ひな壇の1/3位まで押してします。
愁 「家政婦?馬鹿だな、俺にとってはスーパーウーマンだって
いったろ・・・」
ののみ押し倒され、押さえ込み状態の愁。
XXX
(音もなく)講堂に入ってくる生徒達。
校長、二人の横に来る。
校長 「全校集会・・・」
ステージを見ている(無言、冷たい視線)生徒達。
起き上がり唖然とする二人。
スマホを操作する生徒数名。
18. ののみの部屋(夕方) 6月 高2
二段ベッド下段で寝そべりスマホを見るののみ。
ののみ「変な写真撮られちゃったな、でも・・・ツーショットだね、
愁君!、芸能人みたいだね」
ベッドで全身を、くねくねさせるののみ。
愁の石にスマホを見せる。
ののみ「く~、なんだろ、ときめく~」
その時、愁から電話(ウエディングソングの着信音)。
ののみ「あっ、愁君。ナイスタイミング~ぅ」
親指を立て、スマホ画面をタッチ。
愁の声「土日は試合もあるし、塾もね、だからゆっくり休んで、
月曜日はまた弁当頼む、それとDVDと週刊漫画!」
ののみ「DVDは何系がいいの?、SF?、アクション・・」
愁の声「任せるよ、いいの選んでくれたら・・・」
ののみ「えぇ、お任せ、ご褒美あり!!」
愁の声「ばか、いい映画だったらだぞ」
ののみ「ほんとにくれるの?」
愁の声に耳が熱くなって(赤い耳たぶ)。
愁の声「じゃぁ(切断)」
ののみ「電話の愁君の声も、とろける~」
手で耳を覆うののみ。
ののみ「愁君の声が消えませんように・・・」
愁の石に、尖らせた唇を近づける・・・。
妹 「(ベッド上から覗き)・・・大丈夫」
XXX
ののみの夢
耳元でささやく愁、照れるののみ。
愁 「君は寝顔もかわいいね・・」
19. 公園ジャングルジムの前 何日か後 夕方 6月 高2
女友達3名と話す久美。
久美 「愁を締めてやらなきゃ・・・」
XXX
やってきた愁。
女友達「かっこいい」「イケメンじゃね」
愁 「誰?」
愁に詰め寄る久美。
久美 「どうゆうつもり」
愁につかみかかる。
愁の周りに詰め寄る女友達。
愁 「だから・・・誰?」
久美 「誰って・・・クラスメイト!、ののみの親友」
愁 「でぇ(切れ気味)・・・」
久美 「ののみ・・・、どういうつもり・・・」
愁 「関係ない・・・」
久美 「えぇぃ、問答無用・・・」
丸めたタオルで、ぼこぼこにする久美と友達
「女なめんなよ」「もてあそぶんじゃねえよ」
XXX
ダッシュで来たののみ、愁と久美達の間に割って入る。
ののみ「やめて(叫び)ハアハア!」
ののみ、ショーパンで、サンダル履き、血走る眼。
ののみ「愁君は悪くない、私が勝手にやってるんだから」
愁の前、立ちふさがり(仁王立ち)。
久美 「・・・」
女友達「・・・」
ののみの肩を抱き掴み、振り向かせる愁。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます