第6話 王女と街探索②

「ここであってるよな」


  地図の目的地通りに家にはついた。森の奥の小屋は腐りきっている木で出来ており、今にも崩れそうだ。


「すみません、どなたかいらっしゃいますか?」


 すると、眼鏡を掛けたおじいさんが出てきた。


「君たちが、依頼を受けてくださる方かね?」

「はい。」

「そうか、待っておったよ。さぁこちらへどうぞ」


 杖を片手に、家へと案内してくれる。

 家の中には、薄暗く骨首が飾ってあったり水晶が真ん中にあり一際存在感を放っていた。


「おじさんは、占い師なんですか?」


セリナは気になったのか、目を光らせながら聞く。こいつ占い好きなのか。


「ふぉっ、違うよ嬢ちゃん。これはわしの趣味さ」


趣味にしては、随分凝った造りをしているな。


「依頼の確認をさせていただきます。えーと家事全般のお手伝いで間違いなかったですか?」

「そうじゃ。いつもヘルパーの人に用意させてもらっておったんじゃが、今日は体調が悪いようなんじゃ。すまんがお前らさんに頼みことにしたんじゃ」

「そうでしたか。うちのニ斗は家事全般は完璧にこなせてみせるから安心してください。そうよね?」

「もちろんだ。ニ斗様に任せなさい」


女の子にかっこつけようと、つい心にもない事を口走ってしまった。


「それじゃあ、頼みましたよ。冷蔵庫から勝手に使っていいからのぉ」


 そう言うとおじさんは、ソファーへと深く腰を掛ける。

とりあえず、昼飯作りするか。冷蔵庫から食材を取り出す。肉と野菜が中に入っている。肉と野菜を炒めることにした。


「おじさん、出来ましたよ」

「ほう、すまんのぉ」


 おいしそうに食べてくれる、おじいさんを見て俺もつい頬が緩む。


「お風呂わ五右衛門風呂でな、薪から焚べてくれるかい」

「お風呂に入られるのですか?」

「今日は夕飯入らないんじゃ」

「分かりました。すぐ準備します。セリナも薪を焚べるの手伝ってくれないか?」

「しょうがないわね」


  面倒くさそうに髪を搔き上げる仕草をして答える。

(こいつ、まさか自分は何もしなくていいと思っていたのではないか。)頭に湧き上がる怒りを抑え作業に取り掛かる。

薪を燃やし風呂を沸かすっていうのは、初めてだな―斧で薪を割り、暖炉に焚べる。


「そろそろ入って頂いて構いませんよ」

「すまんが、入らせてもらうかの」


 おじいさんはジャポンと音を立て、湯船に浸かる。


「湯加減どうですか?」

「ああ〜丁度いいんじゃ」

「それは良かったです」


 おじいさんが風呂から上がるのを見てから、家へと戻る。


「いやぁ、助かりました。これはお礼です」


 そう言うと 、ソファーの横にある机の引き出しから袋を取り出す。


「ありがとうございます、困っていることがあったらまたいつでもお伺いいたします」

「おじさん、ありがとね」

「二斗やったね。初の報酬だね」


 嬉しそうにこちらを見つめる。


「うん、でも俺だけではできなかったら。はい」


一万GCのうち、5千GCを彼女に渡す。


「これって......」

「ありがと」


少し戸惑いの表情を浮かべながら受け取る


「次は、武器屋に行くわよ」


俺たちは、初めての依頼をなんとか終わらせることができた。

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