第2話人神(ヒトガミ)

なんでも与える.....

まるで願いを具現化する魔法のように

なんでもできる.....


なんでも与える.....

力も地位も名声も...時に人や金を

なんでも出せる.....


なんでも手に入れる.....


家は東京の新宿区に構え、普段は運動だけをし

仕事など一切しない。

彼に手に入らないモノなど無いからだ


幾度となくモノを欲し、それを逃すこと無く手中に収めていた日々だった


ある日の暮方

一人の少年がやってきた

まだ幼い顔つきと黒くぶかぶかな学ラン姿から

中学一年と思った。


「ねぇ.....僕をちょうだい」


何を言っているのだろう

何を渡せばいいのだろう

困った

考えた...考えた...考えた


わかった


"自分を与える"


2013年 8月9日 午前11時32分 晴れ

僕は....世界から消えた

神はいなくなった


人々は嘆き、悲しみ、ただ泣いていた

少年は笑った....

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人間(ニンゲン) ふくだサン家 @agemannzyu

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