あああああああ

君達は知っているだろうか。生物は一度死ぬと精霊になるのだよ。そして一定の期間が立つと、その精霊はすべての記憶を失い、新しい人生を歩み始めるのだよ。

だがしかし、それは通常の魂のループである。呪われた魂や、特殊な魂、特殊な死に方をした魂は、その通常の魂のループを外れ、ある条件を満たさない限りは生まれ変わることが出来なくなるのだよ。


え?俺が誰かって?いずれ分かるはずだよ。







学校に入学して4ヶ月が経った。様々な授業では、様々なことを学ぶとともに、様々なトラブルを起こしてしまった。

さすがにあの火炎龍ほどの事故は起こしていないが……


水の魔法の授業ではコップ1杯の水の代わりに琵琶湖1杯分の水を作り出してしまった。


風の魔法の授業では、おもちゃの風車を回す代わりに生徒を吹っ飛ばしてしまった。


土の魔法の授業では、砂の城(某遊園の白くて大きなランドマークの城サイズ)の城を作って調子に乗り、コントロールを失って何人もの生徒が下敷きになった。


氷の魔法の授業では、魔法の暴発であたり一面が氷の世界に早変わり。某有名漫画の軍の元お偉いさんの必殺奥義みたいになった。挙句の果てに自分まで凍ってしまう始末だ。


そんなトラブルメーカーの俺のあだ名は、


「医務室送りの天才」


俺の前世での二つ名が異才のシェフ(etc…)だったのに……最悪だろ。


年上からも先生からも白い目で見られるという事件。


何故かヴァイア先生だけは納得の表情を浮かべているのも気になる。


(ドンッ)


そんな事を考えていたら、事務の先生にぶつかってしまった。


ガシャンという音と共に、先生の持っていた皿が一気に砕け散る。

皿の上に乗った肉が転がっていく。


「あ……ああ……あああああああ…………」


先生が小声であを連発する。

何処からともなくヴァイア先生が現れる。


「まさか先生……王の食事を落としたのですか…………?」


王の料理?


「ああ…………ああああああ……」


お前「あ」しか言えないんかよ。


「まさかそんな……普通の食事ならなんとかなりますが、まさかよりによってあの王の会食に限ってそんな……」


「あのー……そんなにまずいんでしょうか?」


余りにも周りの空気が重たい中、勇気を振り絞って聞いてみた。


「王にして美食家、食に貪欲なエルドラドの舌と呼ばれるキャビアン王が今日、この学校の視察をしに来ているんです。 ですが彼は食にうるさいあまり、出された料理が気に入らないと、どんな店や施設も、本気で潰しにかかって来るのです」


「あああ……今日の為に一流の料理人を雇って徹夜で料理を作ってもらったのに……あああああああ!!!!」


「あ」以外も喋れんじゃん。ていうか あ 言いながら俺のこと睨まないで。マジで俺気まづいから。


「先生。会食まであと何分ですか?」


「あと30分です……今から作り直す時間は……」


俺は厨房へ走った。学校が潰れるのはマジでヤバイ。


久しぶりだけど、俺が今すぐに料理を作れば……


食材さえあれば30分でなんとかなる!

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