Data3.to see you

Garbage collection.

――少年は言いました。立派で煌びやかな宝を探し出すのだと。

 そんな彼の話を聞く少女。宝など、そのきらきら光る両の目だけで十分だと思っていても、決して口に出すことは無い。彼が遠くへ行く事は、誰よりも彼女が一番知っていたのだから。


 旅立ちの時から幾年月。立派に育った村娘は、ふとした思いを文へと綴ります。それは育った彼に対してのものなのか、それとも変わらぬ少年に対してなのか。

 決別を望んだのか、再会を願ったのか……届ける手段も場所も知らないその文には、一体なにが綴られていたのか。今はまだ彼女しか知る由も無いのでしょう。


 代わり映えのしない自慢の村で、彼女はそっと文を空へと羽ばたかせた――


 

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