水って重要だよね
ワクチンで死ななくなった次に直面するのは
水である。
水は最重要なものであり、
異世界に行っても、
水なしでは生きてすらいけない。
異世界転生した人達が病原菌で死ぬ次に
死亡率が高いのは不衛生な水を飲んだというのがあげられる。
現在社会においては、
水まわりはとてもきちりとしており、
いつでも綺麗な状態を保てるようになっている。
さらにはお湯をひねるとお湯が出て、
水をひねるとちゃんと水がでるようになっている。
なんとすばらしい文明国家の利器。
異世界ではどうだろう。
水まわりはとてもじゃないけども、
しっかりしていない状態だ。
水道ですら、マトモな状態ではなく、
川の泥だらけの水を利用する。
もちろん、泥だらけの水では利用できないため、
火を使い、煮沸消毒をすることになる。
火は自力で起こさなければならない。
火は木こすり、
数時間かけて火を起こす。
異世界に行って、
まず必要なものは経済学や統計学、戦術といった、
そういう知見ではなく、
サバイバル術なのである。
まさか魔法を使ってという発想を思いつくのではなかろうか。
学んですらいないのに魔法なんて使えるわけがない。
ましてや魔力の才能なんてない。
通りすがりの魔術師がというわけにもいかない。
悲しいことに、彼らは優しくはないし、
いつも権力闘争であけくれている。
なぜなら、彼らは力を持っているから。
それも人をいとも簡単に抹殺できるレベルの力を。
『そう、水を利用し、火を起こすことですら、
異世界では難儀な状態なのである』
火を起こす道具を買ったり、
燃料を買ってくるという手もあるにはあるが、
来たばっかりでは一文無しである。
そんな便利な道具を買うためには
大金が必要だ。
もちろん、戸籍も身内も居ない者だ。
いわゆる、現在社会の諸外国の末端労働者と
同じ扱いを受けることになる。
自分の思い描いていた、
理想の頭脳労働者や富豪とは大きく違い、
実のところ、単純な肉体労働者として扱われることになる。
さらには労働環境は現在社会では守られているものの、
異世界ではまったくもって守られていない。
労働者が壊れようが死のうが異世界では気にしないのである。
そう、現在社会よりも過酷な労働環境を強いられることになる。
そして、悲しいことに異世界も貨幣社会なのである。
異世界転生ガイドブック @non_non_cha
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。異世界転生ガイドブックの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます