第3話 滅びしエデルフォール
「見知らぬ天井だ。」
なんちゃて言いつつ、起き上がる。
ベットだけど、木の上にダイレクトに寝たから少し痛い。
ベットから降りて、部屋を歩き、家から出で、水路を遡る。
寂れた遺跡を歩き、かなり上の方に来たなーって思っていたら向こうに泉が見えた。
「おっ!泉だ!」
私は、泉の淵で服を脱ぎ、泉に入った。
冷たいけど、ベタベタした肌はさっぱりして気持ちが良かった。
その後服を着て、アイテムボックスから取り出したリンゴを齧りながら、今日のことを考える。
魔術をもっと練習したりしたいし、この遺跡を探検するのもいいかもと考えた。
早く、食料を見つけないと思いながら、家が立ち並ぶ方へ進む。
まずは、探検をすることにした。
私が現在暮らしている家の東側にある広場が最初に発見した所だ。
今は北側の広場にいる。
東側は、舞台風に凹んでいて、座ることが出来る様だった。
北側の広場は逆に中央が、段々高くなっている。
中央には、何かの祭壇?らしき物がある。
クリスタルの様な美しい石があり、周りを細かく彫刻してあって綺麗だった。
綺麗で現実味がなくて、触れたくなってそっと、クリスタルに触ってみた。
途端に何か身体から何かが抜けていく。
ちょっと、クラクラする。
座って耐えていたら、段々良くなってきた。
「ステータス」
エルエリア・サザルクォーク 女
種族 古代人族
レベル1
状態 魔力欠乏(軽)
職業 観測者
サブ職業 なし
HP 1500
MP 0010
力 217
守備 372
賢さ 401
素早さ 220
魅力 521
運 ⁇?
スキル
文字・言語理解
アイテムボックス
剣術 B
魔術 A
錬金術 C
体術 B
マッピング
鑑定 B
隠蔽 A
隠密 S
無表情 C
社交儀礼
ユニークスキル
『円環』
『時の狭間』
『
称号
《異世界転生》《世界に祝福されし者》《滅亡寸前の人種》《神鏡を持つ者》《神器を持つ者》《神器の欠片を持つ者》《かくれんぼの達人》《ぼっち》
加護
⁇?の加護
装備
身体 天帝羊の黒ローブ 守備+100,賢さ+150,運+30
青空の服 守備+15,賢さ+10
深緑のボトムス 守備+15,賢さ+15
足 牛王帝のブーツ 守備+52,素早さ+45
何でおかしくなったんだ?
魔力欠乏?
あっ!
MPがめっちゃ減っている。
再びクリスタルの方へ向けると、蒼くぼんやりと光っている。
これは何だ?
鑑定してみよう。
転送・結界クリスタル 【鉱物・魔導具科】
状態 燃料魔力欠乏 1300/10000
《閉鎖モード》
登録済み
登録したクリスタル間を選択し、転送出来る。魔物や外部の侵入者に対しての結界を作動させる。※元々あった魔導石が消失の為、魔力を使用中。
確かに、何か彫刻の所々に、スッポリと空いている場所がある。
うーん。
これは、私の為にも早く作動させた方がいいよね。
魔物とか寝込みとか襲われたら、死ぬからな。
MP回復したらまた……
あれ?
私、そうだ!
ユニークスキルがあったじゃないか。
『円環』を使おう!
再び、私は段差に腰掛けて『円環』を使う。
使うと、世界が光って見える。光が私の中に吸収された。
すぐさま、MPが元に戻ったので、クリスタルを触る。
それを何回か繰り返した。
やっと終わった!
ウキウキしながら、再び鑑定をしてみた。
転送・結界クリスタル 【鉱物・魔導具科】
状態 魔力モード 10000/10000
《閉鎖モード》
登録済み
登録したクリスタル間を選択し、転送出来る。魔物や外部の侵入者に対しての結界を作動させる。※元々あった魔導石が消失の為、魔力を使用中。現在閉鎖モードの為、スタンバイ。変更は、蒼天の証を使用。魔導石か、魔石でも可能。
うーん。
閉鎖モードだから、結界は作動しないってことか。
蒼天の証ねぇ。
村長さんの家にありそうだけど。
どこなんだろうか。
私は立ち上がり、探検を再開した。
坂道を降りながら、中央の広場の方へ向かう。
よし、中央の広場だ。
ん?
何か、この家。
ムムム、教会かな?
両扉を開けて中に入ると、朽ちた長椅子の間を歩き、奥の祭壇の方へ向かう。
教壇の上には、何か本が置いてあった。
かなり劣化が進んでいる様で、触るとボロボロと崩れていく。
読めそうなのは、比較的に新しそうな後半部分だろうか。
最後のページを開く。
これを見る、同族の方へ
私は、このエデルフォール出身の漆黒の魔導師クオンと申します。
現在、エデルフォールにいる私と祭司のミドラさんが最後の生き残りでした。
私達の他の方々は、最後の『楽園』へと向かいました。
私達はまだ他の地域に住む同族の方がもし、このエデルフォールに来た時に『楽園』へと誘う為に残りました。
『楽園』の事は、安全上詳しくは書けませんのですみません。
でも、どうか一人だと思っても諦めないで下さい。
私達の仲間は、『楽園』で末長く仲良く暮らしています。
それが、私が語る事が出来る唯一の事です。
最後に、私の家の寝室には、状態保存の魔導陣があるので、私のお古ですが、良ければ使って下さい。
これから冒険者ギルドに、入られるのでしょうか。私と間違えられたら、この手紙を渡して下さい。私の友人の子と記して置きます。
もう一つ、教会の右横にある懺悔室に入り、壁にある装飾を押すと小部屋に入れます。そこに、村長さんから預かっていた物や、『楽園』に向かった方々から餞別かあるので使って下さい。
これを書いている今現在祭司のミドラさんがご高齢であり、天命の為亡くなりました。
私も、不治の病でかなり危険な状態であります。この病気は移ることはないので安心して下さい。
どうか、あなたが『楽園』で、再び同族に会える事を祈って。
追伸 同族である愚者のアルウヌスには気をつけてください。彼は敵です。ねちっこくて、最悪な趣味を持つ男です。もし、女性なら尚更気をつけて。
古代人族 漆黒の魔導師 クオン
なるほど。
ここは、エデルフォールという廃棄された街だったのね。
『楽園』ねぇ。
気になるわ。
挟んであった劣化した手紙を取り出して、アイテムボックスに入れる。
本を前のページには、日記になっているようだ。
今日は晴れで暖かいとか書かれいる。それも本をアイテムボックスに入れた後、早速、懺悔室に入る。
壁にある装飾を押すと壁がギーと裏返しになった。
私も、隣の部屋に入る。
こじんまりとした小部屋で、崩れた籠の中から取り出して鑑定してみる。
水竜の服 《防具科》水の様な美しい光沢の服。水竜の毛と銀糸を織り込んだ力作。水を弾くので、汚れにくい。軽く重さを感じない。守備+100,賢さ+120 作成者
エデルフォールのイザナギ
一角獣の革ズボン 《防具科》珍しい一角獣サファリオの革で作ったズボン。着た者の幸福を願って作れた。守備+65,賢さ+70 作成者 エデルフォールのイザナギ
サファイアの首飾り 《装飾品科》美しい彫刻を装飾された首飾り。着けた者の安全を祈って作れた。賢さ+50,状態異常にかからない。作成者 エデルフォールの村長 クリストファー
これは。
すごいわ。やっぱり、この世界には竜がいるんだ。
ファンタジーね!
私、ついてるわ。
序盤から、最強装備だもの。
エデルフォールの人達には、頭が上がらない。感謝するわ!
ルンルンしながら奥にある机には、黄色くかなり古い手紙とカードの様な小型の青い薄い金属の板と、なめし革の小袋が置いてあった。
小袋の中は、金貨が10枚と銀貨15枚、銅貨17枚が入っていた。
手紙をそっと開けると短く書いてあった。
同族のお方、これを旅路にお使い下さい。我らからの細やかな贈り物です。
青い金属はこの村の結界に使うキーになります。
村長 クリストファー
村長さん、ありがと!
これが証ね。
証ゲットだぜ!
私は全てをアイテムボックスに入れて、証だけはポケットに入れ、小部屋から出る事にした。
教会から出て暫く歩くと、やっとあの北側の広場に着いた。
私は、結界を起動させる為に、また触った。
転送・結界クリスタル 【鉱物・魔導具科】
状態 魔力モード 10000/10000
《閉鎖モード》
登録済み
登録したクリスタル間を選択し、転送出来る。魔物や外部の侵入者に対しての結界を作動させる。※元々あった魔導石が消失の為、魔力を使用中。現在閉鎖モードの為、スタンバイ。変更は、蒼天の証を使用。魔導石か、魔石でも可能。
《閉鎖モード》 を解き、《通常低燃費結界モード》に変更しますか?
「はい。」
私は、いきなり頭の中に響いた声に、戸惑いながら答えた。
変更完了しました。
魔力が無くなり次第、《閉鎖モード》 に自動変更します。
お疲れ様でした。
「すごいな。あっちの世界みたいだ。」
ヘイ!○リ、みたいな感じで楽でいいけど、この世界の技術も進んでる様だ。
ボンヤリだった蒼くぼんやりとした光を放つクリスタルは、美しく透明なベールを放ち、空を覆っていく。
さてと、次は外の森で探索して、レベル上げだな!
私は意気込み、森へ行く為に南の広場へ向かう。
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