第6話

そして。時は流れ、あっという間に後期も終わろうとしていた。過ぎていく時間の中で、私は少しはずつ彼のことを意識してしまっていた。


体育祭で、彼が一生懸命走る姿。風になびく髪が素敵だった。

合唱祭練習では、彼の歌のうまさに驚いた。上手いね、って言ったら彼は照れながら「さんきゅ。」って。


私も音楽は得意だったのでいつも競い合った。歌のテストの成績や、筆記試験の点数とか。そのたんびに彼と話せるのはとっても嬉しかった。

ずっとこのままでいいやと思っていた。

そんなに話さないけど、あるきっかけでふっと喋る。


でも、そんな現実は上手くはいかなかった。

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