第4話
時は流れ、あっという間に前期が終わろうとしていた。私たちの学校は2学期制なので、丁度半分が終わったことになる。
そして、前期と後期の間は、〈秋休み〉と称した3日間くらいの休みが入る。
私は、この3日間で初めての体験をする。
2日目。朝メールを見ると彼からメールが届いていた。その一行の本文。私は一生忘れられないだろう。
「俺がもし、好きって言ったらどうする?」
私は頭が真っ白になった。びっくりして、その日1日は携帯を開けなかった。
秋休み最終日。1日おいたおかげで、少しは落ち着くことが出来た。私は、まだ彼のことを知って半年。お互いのことを全然知らないのに、こんなに簡単に付き合ってしまっていいのだろうか?
考えた末に、私が彼に返したメール。
「ごめんね。私、他に好きな人がいるの。」
これは、半分事実で半分嘘だ。
私は小学校6年間、同じ人がずっと好きだった。
その人も私と同じ中学校だったと分かってはいたが、ある程度けじめをつけたくて、つい最近告白をした。返事は、ごめん。でもなんとなく分かっていた事だったから、そんなにショックではなかった。むしろ言えてスッキリした。
だから、また他の好きな人を見つけられたらいいなと思っていたのだ。
返事はすぐに帰ってきた。
「そっか。もしかしてあいつかな?」
ビックリした。何も言っていないのに合っていたからだ。
「そうだよ。どうして分かったの。」
気になって聞いてみた。
「そんな感じがしたから。見ててそう思ったんだ。」
「私ってそんなにわかりやすかった?恥ずかしいな。」
「いや、俺がいつも見てたからかな。俺本当にお前のこと本当好きなんだ!」
驚いた。まさかあんなクラスの中心の彼が私のことを見ててくれたなんて。嬉しさもあった。
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