第3話
普段、彼は、私のことを苗字で呼んでいた。
あの頃は、あまり接点もなく、話す機会も少なかった。だから私も、意識するようなことはなかった。
そして学校というものは、大体仲良い子同士でグループが出来上がってしまうため、1人の女の子と仲良くしていた私は、クラスの中心の彼とはかなり違う学校生活を送っていたし、彼との接点も少なかった。
しかし、ある日、彼から「メールアドレスを教えて欲しい。」と頼まれた。
そんなメールする用件なんてあるのかな?と疑問に思いつつ、教えると、彼は笑顔で私にお礼を言った。
その日、学校から帰った私が携帯を開くと、彼からのメール。絵文字のないそっけない本文が、逆に新鮮だった。
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