永遠の旅行記
三葉倫太郎
永遠の旅行記
僕は自殺をした。
理由は人間関係が嫌になったからだ。友達であるはずの人間は本心では信じ切れず、職場の人間からは延々とミスを指摘されてはなじられる居場所のない日々。みんながみんな腹の中にドス黒い感情を隠していると思った。僕もそうだったし、そんなこと当たり前の人間の社会。そんな中で仮面のように笑顔を貼り付けて下げたくもない頭を下げ、嫌われまいとして良い人を演じ続ける毎日に嫌気がさした。
そして、いつもより気分が沈んでいたある日、思い付きのように自宅の屋上から飛び降りた。
僕は確かに死んだ。僕が飛び降りた現場に実際に行って確かめもした。誰が置いたかわからないが、そこに花束が置かれていたことに驚きもした。
僕は生まれ変わっていたんだ、猫に。
僕は人間の頃の記憶を引き継いだまま痩せた野良猫の長男として再び生まれた。母は僕が親離れができるまで優しく育ててくれた。今はどうしているかわからない。他の猫と比べてあまり丈夫な方ではなかったから心配ではある。
野良猫の世界は厳しい。早い話完全な実力主義であり、力のない猫は野垂れ死にするだけというシンプルな方程式が成り立っている。食事はまともなものを食べられ日なんてまずない。いつのホームレスだよって感じにゴミ箱を漁って比較的マシな残飯を渋々口にする。偶然会ったベテランの野良猫は僕が嫌々食べるレベルのものを喜んで食べる。僕も猫として長く生きたら彼のようになれるのだろうか。
「お前みたいなヤツはどこ行ってもやっていけないぞ」
ある野良猫のグループに入れてもらった時にボスから言われた一言だ。聞き覚えのある言葉に懐かしさを感じることはなくただ無力感だとか惨めな気持ちだけが湧き出た。別の言葉で形容するなら「死にたい」という感覚だった。
ウチのグループのテリトリーを示すために他のグループとの顔合わせの場に参加したことがある。その時は正直まるでヤクザみたいだと思った。その時に僕が知らず知らずのうちに相手方のテリトリーに何度か足を踏み入れてしまっていたことが露見し、相手方の猫に袋叩きにされた。その間、僕を助けようとしてくれる猫はいなかった。
それからはグループのみんなの僕を見る目が変わった。元々他の猫より要領が悪かったことも災いしたのだろう。何かにつけて嫌がらせを受けるようになった。
餌を横取りされたり、喧嘩を吹っ掛けられることも多くなった。一対一なら少しはやり合える自信はある。だけど、みんなは僕のことを大勢で襲ってくるから到底かなうわけもなくいいようにされるがままだった。
そのうち僕はそのグループから逃げるように抜け出した。その時にボスに見つかり、また「どこへ行ってもやっていけないぞ」と言われた。
まったくもって笑えない話だと思う。何もかもから逃げ出したくて自殺して、逃げ出した先でほとんど同じ扱いをされているなんて。人間だった記憶がなければもっと上手くやれていたのだろうか。いっそもう一度自殺して今度こそ楽になろうかとさえ考えた。
その度にまた同じような目に遭うんじゃないかと思うようになったのが人間だった頃との大きな違いだ。死は解放ではない。ダメなヤツは死んだってダメなままなんだということに、死んでから気がついた。
猫のことは自由でいいなと人間だった頃は何度も思っていた。だが、僕がそう思った猫も人間たちが知らない間に猫の社会を生き抜いてきたんだと思うと人間の浅はかさを実感する。猫が可愛いかどうかは人間のものさしで測ったもので、猫からしてみれば個の見た目の優劣なんてないに等しい。僕の今の顔は人間の基準ではハッキリ言って不細工だが、その点を責められたことだけは一度もない。
飼い猫と会って話をしたことがある。僕より若い女の子で生まれた時から既に人間の手で可愛がられていた子だった。首輪に「みい」とシンプルだが可愛らしい名前が記されていた。
「僕は生まれる前は人間だったんだ」
彼女……みいちゃんにそう話した。するとみいちゃんは目を輝かせて「いいなあ、わたしもにんげんになりたい!」と言った。
この子はきっと飼い主に恵まれているんだろう。僕は猫として上手くやれているわけではないが、人間に戻りたいとは流石に思わなかった。人間より、まだ猫の方が素直だ。
もしこの子が本当に生まれ変わったらどんな子になるのか想像した。猫の記憶を持っていた人間には当然会ったことはない。でも、僕が知らないだけでどこかにそういう人はいたのかもしれない。猫の時の特徴を引き継ぐのだとしたら、モテモテとまではいかなくても隣にいたら安心するような、そんな子になるんじゃないかと思った。
みいちゃんは人間の社会はもちろん、野良猫の社会も知らないでいた。僕はみいちゃんに人間と猫の社会を教えるのは小さな子に子供の作り方を詳細に語る時を想像するような罪悪感を覚えた。真実を語ことはみいちゃんの憧れの存在を貶すことになる。そう思った。
「君が飼い主のもとを離れることになった時は他の猫と仲良くするのが大事だよ。人間も他の人間と仲良くしないと生きていけない。それだけは覚えておくんだ」
みいちゃんはキョトンとした様子だったが、元気よく「うん! わかった!」と言ってくれた。何者であっても無邪気な子供は可愛いと思った。
グループを抜けたのは失敗だったんだ。食べ物を求めた先は大抵他の野良猫グループのテリトリーなものだからロクに腹を満たせなくなった。今なら初めは嫌悪していたゴミの飯も喜んで食べられると思う。ただ、仲間との関係を気にしなくていいという点は僕としてはかなりの救いになった。
僕は思い立って飼い猫になってみようと思った。猫相手ではなく人間相手なら人間のことをよく知っている以上僕に分があるはずだ。ただそれは、人間だった時のように笑顔を振りまいて違う自分を演じているような気がした。
「にゃーん」
我ながら可愛い鳴き声をしていると思う。餌をくれる人間は思っていたより少ないのが残念だった。僕も野良猫に餌をやってはいけないと言われていたから人間だった頃は餌を与えたことはなかった。そのツケが回ってきたようで滑稽に思えた。
狙い目は食べ物を持った子供か老人だ。子供の場合は成功率が高く、腹は大して満たされないが持っている食べ物を分けてくれる。大抵はパンの切れ端などだ。
老人の場合は人柄によって大きく左右される。老害という言葉が似合いそうな老人にうっかり近づいた時なんかは蹴飛ばされるところだった。反面、温厚な老人の場合はしばらく構ってくれることが多い。されども運悪く既にペットを飼っていたりとハズレばかりを引き当ててしまっていた。
餌がもらえなかった日は目も当てられない。一日の大半を人間に媚びることに費やしてしまうため食べ物を探す時間がないのだ。ゴミ箱を漁って都合よく食べられるものが入っているわけではないし、既に他の猫に食べ物を取られてしまっていることが多い。
そんな日は何とか寝床だけを確保して空腹に耐えながら眠っている。もしこのまま野垂れ死にすることになったら僕はどうなるのだろう。また生まれ変わって別の生き物として生きていくのだろうか。その時に記憶はどうなっているのだろう。仏教の開祖は生きる苦しみから逃れるために悟りを開いて解脱したらしいが、彼も僕と同じように他の動物に生まれ変わったりした後にその考えに至ったのだろうか? 前世の記憶もなしにそんなことをふと思い立ったのだとすればやっていることは僕がした自殺みたいなものだと、仏教徒の前で語ると総スカンを食らいそうなことを考えた。
そんな生活がしばらく続いたころにある女性が現れた。20代くらいのどこにでもいそうな感じの女性だった。いつものように媚びた声を出して彼女に近づくと、彼女は僕を抱き上げてくれた。やったぜ! と思うと同時に目に入った彼女の笑顔は、人間だった時には一度も向けられたこともない純粋な笑顔のように感じたのは長い間ロクにコミュニケーションを取っていなかったからだろうか。
「ウチに来るかい?」
彼女の言葉に僕は元気よく鳴いた。そうしてついていった先は三階建てのマンションで中々綺麗な所だった。おそらく新築だろう。彼女は本当についてくるとは思わなかったようで驚いていたが、それでも嬉しそうに僕を再び抱き上げて部屋に招き入れてくれた。
こうして僕の新しい生活が始まった。僕は彼女に青い首輪を与えられ、正式に彼女の飼い猫となった。青は落ち着くからという理由で選ばれた色だ。
飼い猫になると食べ物の心配がなくなったのが何より大きい。それと安心して眠れるというのも。
僕にとって彼女の存在は母親のようだった。そういえば、人間だった頃の僕の母親はどうしているのだろう。今さらになって以前の家族のことが心配になったが、今の僕は彼女の猫だ。それ以外の何物でもなくなった。居場所があるというのはこんなにも安らぐものだったのかと自由気ままが代名詞の猫らしからぬことをしみじみと感じた。
「なんだか、自然と鳴くようになったね。ネコスケ」
ある日彼女にそう言われた。いつの間にか僕は彼女に媚びることをやめていた。それでいいと思った。それと「ネコスケ」とは僕の名前だ。彼女のシンプルなネーミングセンスが天然な感じがして愛おしかった。
他にも彼女は魅力にあふれている。仕事の前に薄化粧をした彼女の容貌は美しいと感じる。最初のどこにでもいそうな女の人という印象はとうに拭い去られていた。彼女は世界一美しいと最近本気で思う。そんな風に彼女を見る僕はまるで初恋をした男子中学生のようだと思った。
彼女と一緒にとる食事は楽しい。人間だった頃は魚介系があまり得意ではなかったのだが、猫の舌にはこれ以上ないほどマッチする味だ。彼女が買ってくる猫缶はまさにご馳走だった。それはそれで美味しいのだが、一番嬉しいのは彼女が自分の分をわけてくれた時だ。鮭の切れ端を僕の前に置いてくれたと思ったらひょいと取り上げて悪戯っぽく笑う彼女の笑顔が好きだった。もちろん、その時は僕もそれなりのささやかな仕返しをしてやる。
そんな時間が恋人と戯れているようで愛おしかった。
彼女が仕事に行っている間、久しぶりに散歩をしようかと思い立った。彼女に拾われるまで外を歩くのは生きるための仕事のようなもので到底娯楽とは呼べなかった。人間だった頃に何かの本で読んだが、仕事を楽しめる心を持っていたならそんな風には思っていないだろうなと今更ながら思った。
今は他の猫の存在を気にすることなく散歩ができる。グループのテリトリーに入らないようにだけ注意をしながら久しぶりの街を歩いた。そんな中、目の端にあるものが留まった。猫一匹は簡単に入るくらいの大きさの段ボール箱が置かれていた。僕はそれに近づき、中を覗いた。
「ひさしぶりだね」
中にいた子猫が僕を見るや否や力が抜けたようにそう言った。子猫はみいちゃんだったが、首輪は外されていた。
みいちゃんは自分がどういう境遇にあるのか理解できておらず、飼い主がもうすぐ迎えに来てくれると信じ切っていた。そんなみいちゃんでも空腹感には抗えないようでひどくぐったりとした様子だった。まだ小さい猫だ。もしかしたら病気にもなっているかもしれないと思った。
「これから一人で生きていくか、他の誰かに拾ってもらえるまでここにいるかい?」
「なんで? ゆうくんがちゃんとむかえにきてくれるよ」
「ゆうくんはね、もう来ないんだよ。これからみいちゃんは一人で生きていかないといけなくなるかもしれないんだ」
「ゆうくんはこないの? なんで?」
みいちゃんの声は震えていた。
「みいちゃんはね、捨てられちゃったんだよ。だから他の人にゆうくんと同じようにしてもらうか、自分の力で生きていかないといけないんだよ」
「わかんない。わかんないよ。なんでそんないじわるいうの? ゆうくんはくるもん」
むきになって主張するみいちゃんの姿は痛ましかった。僕はみいちゃんに対してどうしてあげたらいいのかわからなかった。野良猫としての性根がなってない僕が生きる術を教えてやれるのかが疑問だった。そこで僕は彼女の手を借りようと思った。僕を拾ってくれた彼女ならみいちゃんを助けてくれるかもしれないと思った。
「明日まで待っていてほしい」
翌日、僕は彼女をみいちゃんのいる公園まで誘導した。天気雨の中、僕は彼女を急かして公園までやってきた。僕がみいちゃんのいる段ボール箱まで行くと、驚いたことにみいちゃんはそこにいなかった。代わりに、血の匂いが向かいの道路から漂っていた。
男の子が泣いていた。血まみれになった子猫を抱いて泣いていた。見たところ車に轢かれてしまったのだろう。彼がゆうくんという子で、彼が抱いている子猫がみいちゃんだと理解できるまで時間はかからなかった。
僕のせいだろうか。僕が確証もないのにゆうくんはこないと言ったせいでみいちゃんの不安を掻き立ててしまった。そして今日、向かいの道路にいるゆうくんに気がつき無我夢中で駆け出してしまったからこんなことになったのか? 無責任だが、これは妄想であってほしかった。僕は猫になっても人間の頃と変わらず責任や罪悪感から逃れようとしていた。
みいちゃんは人間になりたいと言っていた。みいちゃんは今頃どこかの誰かの子供に生まれ変わって、人間の醜さを知っていくことになるのだろうか。せめて無垢な夢を抱いたまま消えてなくなってしまうのがいいんじゃないかと思うのはあまりに勝手すぎるだろうか。
最近彼女の帰りが遅い。ようやく帰ってきた彼女は「ごめんね、今ごはん作るからね」と僕のことを第一に考えてくれる。その優しさが、今はただ苦しかった。
彼女は僕に食事を与えた後、職場の人間にだろうか? よく電話越しに頭を下げるようになった。明かりの灯っていない部屋に彼女以外のノイズ交じりの男の声が響いていた。僕もそういう声は嫌になるほど聞いてきた。
電話を切ると、彼女は死んだように眠ってしまう。これが最近の僕らの日常だった。
ある日、彼女が知らない男の匂いをまとって帰ってきた。その日の彼女は少し嬉しそうだったが、僕は彼女を取られてしまいそうな気がしてならなかった。僕が彼女のものであって、彼女は僕のものじゃないのに何を嫉妬しているんだと我ながら滑稽に思えた。そんな日はいつも以上に彼女に突っかかっていく。そんな僕の気持ちを知ることなく彼女はいつものような甘く優しい笑顔で僕を抱きしめてくれるだけだ。
だが、彼女が悲しんでいる時よりはこっちの方が僕としては嬉しかった。
「ネコスケ、わたし捨てられちゃった」
彼女が知らない男の匂いをまとって帰ってくる日が二ヶ月くらい続いたある日、泣きながら僕にそう語りかけてくれた。短かったなと思った。相手は既に婚約者がいたようで、早い話、男にとって彼女は遊びだったというわけか。
「にゃーん」
僕はただ彼女に寄りそうことしかできない。僕が人間だとしても気の利いた言葉は言えなかっただろう。僕は彼女を癒してやることもできない。改めて僕は何も変わっていないなと思った。自分のことで精一杯で、誰かを助けてやれることなんてできない。
その日を境に彼女はまた謝ることが多くなった。
「ごめんね、また遅くなっちゃって」
僕になんか謝らなくていい。謝らないでほしい。しかし、それを伝える手段が僕にはない。
最近、彼女は寝ずにパソコンに向き合うことも多くなった。そんな時は僕も寝ずに彼女の側に居続ける。
「ネコスケは優しいね」
優しいのは君の方だよと言うつもりで鳴いた。それが伝わるわけがないことはわかっていた。
彼女はパソコンを閉じると、短いシャワーを浴びてから栄養ドリンクを一気に飲み干してまた仕事へ出かける。それだけ時間がない中、僕の食事だけはちゃんと用意してくれていた。彼女のそんな優しさはもはや怖いとさえ感じた。彼女がこのまま消えてしまいそうで怖かった。
そしてこの日、彼女が帰ってくることはなかった。
目を覚ますと、僕は彼女の膝の上にいた。彼女のことを待っているうちに眠っていたようだ。
外は雨らしい。彼女はスーツを着たままでそこにいた。目には大きな隈ができていて疲れ切っているように見えた。
僕は膝の上から降り、枕を咥えて彼女のもとまで持ってきた。今はゆっくり休んでほしいという僕の意思だ。彼女はそれを感じ取ってくれたのかどうかわからないが、タガが外れたように泣き出した。子供のように声をあげて泣いていた。彼女が僕の前で見せてくれる本当の顔が好きだった。彼女は僕と同じように笑顔を振りまいて良い人間を演じて生きているのだろうか。
「ネコスケと二人だけで生きていけたらねー」
僕は元気よく鳴いた。僕もそうしたいと思う。今となっては関係ないことだが、僕が猫だからこそ彼女の側に居られるんだと思う。
彼女が僕に摺り寄せた頬はほんのりと冷たかった。ふと「ごめんね」と彼女が言った。僕が彼女を見上げると、静かな微笑みを浮かべていた。だけど僕はその笑みを直視し続けることが何故かできなかった。
「ごめんね。私、ダメなご主人様だね」
雨の日が続いたある日、彼女は止みかけの雨が降る空を見上げてそう言った。結局僕は彼女の心を癒すことができなかった。彼女の心はもう限界みたいだ。
長くもった方だと思う。以前の僕が彼女ならもっと早く生きるのを諦めていた。彼女は以前にも僕がやったように屋上へ向かった。僕は黙ってそれについていくと、不意に彼女が立ち止まった。「もう自由だよ」と言って僕の青い首輪を外した。たまらず僕は彼女が履いているズボンの裾を噛んで彼女の進行を阻んだ。彼女は無理に歩こうとはせずにその場に座り込んで僕を優しく撫でてくれていた。その間彼女はひたすら「ごめんね」と言い続けた。彼女の目から涙は流れていたが、声は震えていなかった。
やがて雨が上がった。僕は彼女から口を離し、彼女を見上げる。わかっていた。人間、こうなってくると自分のことしか考えられなくなるんだ。
やがて、彼女は人間であることから解放された。美しかった彼女の顔は落下の衝撃で崩れてしまっていた。彼女はこれから自分がどうなると思っていたんだろう。僕のように新たな生を与えられるなんて思っていたのだろうか。もしかしたら今どこかで既に生まれ変わっているのかもしれない。
雨がまた降りだした。彼女はまた人間になりたいと思っていたのだろうか。生まれ変わったなら、彼女の記憶が引き継がれていないことを祈るばかりだ。結局どんな生き物でも本質は同じだ。
人が集まってきた。僕は最後に彼女に身体を摺り寄せる。
「もう生まれてこないようにね」
僕が彼女にできる最後の恩返しはただ祈ることだ。
僕はもう少しだけ猫でいようと思う。今他の生き物になって上手くやれる自信はまだない。集まった人をかき分けて彼女の方を振り返った。せめてもう一度彼女のぬくもりを感じたかった。
今日からどうやって生きていこうか。確実なのは、もう今までのような安らぎは感じられないということだけだ。
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