summerIV

__は?

何言ってんだ、私とこいつが初めて会ったのは今年なはず。何でそんな前から…?

「はっ!まさか、ストーカー…?」

「な訳あるか。何で小学生がストーカーしてるんだよ。ストーカー扱い2回目、ひどいなぁ。」「あ、そっかぁ。失礼しましたー」口調が、、雑になってる。慣れたのかな。

「お前みたいなやつをストーキングする人はいないね。」

「チッ」

「うわ、舌打ちしたー。」

そりゃするでしょ。いつの間にか君、からお前になってるし。


「それはともかく。お前昔、母蔵おもくら町住んでただろ?」


____何で、知ってるの?







母蔵町は、私が生まれ育った町だ。人口がとても少なく、過疎地域である。でも、人口が少ない分昔から皆仲が良く、お互いに協力して暮らしている。

高校が一つしかなく、就職の幅が広がらない、ということで高校進学と共に家族全員で東京に引っ越してきたのだ。


そんな地味な町を何で知ってるんだ?同級生にもこんなヤツいなかったし…

驚きのあまり私の口はあんぐりと開いてしまっていた。けらけらと笑ったあいつは「びっくりした?まぁ当たり前だけど。」と言い、また笑った。

いやいや、そういう問題じゃない。出身地を知っているなんて、不気味過ぎる。

「理由の前にさ_「いや前じゃなくてちゃんと理由を教えなさい。」

「無理」あいつはあっけらかんと言った。「無理」私が言い返す。「無理。だから僕の話聞いて?」何だ、寝てるはずみかめっちゃ上目遣い…いや、残念。眼鏡外して上目遣いしたところで目つきの悪さは変わってないぞ。まぁここまでだと、折れてしまうだろう。「わかったよ。」私は渋々そう言った。

あいつはニコッとしたかと思うと急に真面目な顔になって、ベットに座り直した。


「小野寺さん家の火事、覚えてる?」


全身から血の気が引いた。

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君の隣で嘘をつく 春川 汐那 @senakkoro-819

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