summerⅡ
今、こいつ何て言った?
「だからさ、道一緒だし一緒に帰ったほうが良いんじゃない、って言ったの。」唖然とした私の心境を察したのか、丁寧に再び言った。
「あ、うん…」
確かに、そっちのほうが危なくないかも。
2年くらい前の私なら、恥ずかしがっていたかもしれない。それにあいつもこんな風に声をかけてこなかっただろう。
あいつから誘ってきたくせに、無言だ。気まずい…
すると私たちの歩いている道の横を消防車が通った。けたたましいサイレンがなる。話題が無かったのでサイレンを聞いた私は「うるさいね」と言ってあいつのほうを見た。するとそこに人の姿が見えなかった。いや、正確に言うと、あいつが…うずくまっていた
♦
何が起きている?私の足元であいつがうずくまっている。
「ちょ、ちょっと!どうしたの!?」声をかけても返事がない。聞こえるのは不規則なあいつの過呼吸。呼吸をする度に″ヒューヒュー″という音だけがする。
こういう時どうすれば良いんだっけ。頭が混乱して冷静な行動が取れない。
「と、取り敢えず救急車を…」「ま、待って…救急車は呼ばないで…」「え?でも…」
「僕の家まで、連れて行って」
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