summerⅡ

今、こいつ何て言った?

「だからさ、道一緒だし一緒に帰ったほうが良いんじゃない、って言ったの。」唖然とした私の心境を察したのか、丁寧に再び言った。

「あ、うん…」

確かに、そっちのほうが危なくないかも。


2年くらい前の私なら、恥ずかしがっていたかもしれない。それにあいつもこんな風に声をかけてこなかっただろう。

あいつから誘ってきたくせに、無言だ。気まずい…

すると私たちの歩いている道の横を消防車が通った。けたたましいサイレンがなる。話題が無かったのでサイレンを聞いた私は「うるさいね」と言ってあいつのほうを見た。するとそこに人の姿が見えなかった。いや、正確に言うと、あいつが…うずくまっていた



何が起きている?私の足元であいつがうずくまっている。

「ちょ、ちょっと!どうしたの!?」声をかけても返事がない。聞こえるのは不規則なあいつの過呼吸。呼吸をする度に″ヒューヒュー″という音だけがする。

こういう時どうすれば良いんだっけ。頭が混乱して冷静な行動が取れない。

「と、取り敢えず救急車を…」「ま、待って…救急車は呼ばないで…」「え?でも…」


「僕の家まで、連れて行って」



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