Yell for 受験生!!



夏蓮かれん「受験生のみんなアァ~!! せ~のっ!」



一同――「「「ガンバリキってェェェェエッ!!」」」――




すみれ「ガンバってね! 受験生。 受験ってさ、あたしたちが生きていく中で、大きなターニングポイントを意味すると思うんだ。将来何になりたいとか、どうやって生きていきたいとか……。それが受験する毎に、どんどん明確になっていく。……ちょっと怖い気がするよね。なんかこう、未来が決まりかけちゃいそうで、なんか脚が固まりそう……。でも、だからこそ、逃げちゃダメなんだと思う。これからも生きる君にとって、大切な出来事だから。今の君の努力が、未来の君の力に、絶対になるから。未来の君のために、または、君を育ててくれた家族のためにも、果敢に立ち向かっていこうよ! 大丈夫だから、自信を持った君なら。不安で緊張してるのは、みんな同じなんだよ? みんな、みんな同じ。だから、恐れず貫いて」



メイ「ハリキって! 受験生!! 成長への階段を一段上がる時期が、いよいよアナタにも訪れたノデス。shiny futureに近づく、そんなキラキラした階段を……。後ろなんて振り返らないでクダサイ!! 階段から落ちて、危ないデスノデ。But、前ばかり見ていても、踏み外す恐れもアリマスヨ? So! アナタが見るべき場所は、ズバリ! 今を表す足下ナノデス!! 今をしっかり見てクダサイ! 今という時間に懸命に挑んでクダサイ!! 少年は、大志を。少女だって、雄志ゆうしを抱いてクダサイネ。ニッポン人の集中力は、とってもスゴいことを、ワタクシは知ってマスヨ! 本番に強いニッポン人のアナタたちなら、きっと良い結果が生まれるはずデス!! そんなワタクシは、アナタたちにyellを送ろうと思いマス!! イッキマスヨ~!! すぅ~……! Do the ベェェェェスト!! Be ユアァァセェェェェルフ!! すぅ~~……! ネバァァァァギバァァァァ~~~~ッ!!」



りん「ガンバって、受験生。……怖い、よね。不安だらけだよね。手が震えるよね。表情が強張るよね。一言で言えば、辛いよね……。でも、それが諦めていい理由には繋がらない。だって、あなたの目はまだ、絶望の色に染まっていないから。希望の色が、まだまだ残ってるから。緊張、するよね。でも、諦めないでほしい。数多の苦悩があっても、ほんの僅かな望みを信じてほしい。幸せになってほしいから、一生懸命なあなたには。……大丈夫だよ。深呼吸しながら、君が今日まで努力してきた日々を思い出してみて? とても苦しかったはずだよ。でも、今日までやってきたんだよ。努力を続けてきたんだよ。たくさんの努力を重ねてきただよ。努力の数だけ、自信が増していくから……絶対に。その努力を、その辛かった過去を、決してムダにしないであげて? あなたがあなた自身を、どうか傷つけないであげてね。最後まで、諦めないで」



美鈴みすず「ハリキれっす! 受験生!! クヨクヨしてちゃ、ダメっすよ。闘う前から恐れてちゃ、できる問題も解けなくなっちゃうっすから。それに、準備だって大切っす!! 鉛筆はちゃんと持ったっすか? マーク式のテストは機械が採点するから、シャーペンでは絶対に塗り潰さないようにっす。それから、腕時計! 時計を用意していない学校もチラホラあるっすからね。必須道具として準備よろしくっす。……でも一番大切なのは、やっぱり体調管理っすね。試験中眠くならないように、睡眠をしっかり摂ること。ごはんたくさん食べて、栄養もちゃんと摂取すること。そして最後まで諦めない、強いガッツを持つことっす!! 受験は、心技体全てを問われる行事っす。だからどれ一つも欠けないように、万全の状態で挑んでほしいっす! ちなみに、試験合間のチョコレート、脳に糖分が向かって、集中しやすくなるらしいっすよ」



ゆい「ガンバれよ、受験生。……正直言うとさ、オレはスゲェと思う。つまんねぇ勉強やって、苦しいけど繰り返しやって、今日まで続けてきた、お前ら受験生のことがさ。マジで尊敬だよ。オレはぜってぇ真似なんてできねぇわ。ムリムリ……。だからよ、尊敬の気持ちを持って、オレはお前に声援を送らせてくれ。努力してきたお前には、未来で幸せになってほしいから。少しでも力になれたらいいなって、思ってるからさ。後悔のねぇように、最後まで挑んでくれ。カンニングなんてすんなよ? ……へへ、オレみてぇにさ。卑怯なことするとな、お前のこと応援してる親戚を悲しませる、だけじゃねぇんだ。一番は、努力してきた過去のお前をないがしろにしちまうんだ。だからあくまで、正々堂々闘ってきてくれ。お前の帰り、待ってっからよ。納得して、笑って帰ってきてくれよ?」



きらら「ハリキるにゃあ! 受験生!! 試験場の確認は、もう済んだかにゃあ? きららは以前迷子になりそうだったにゃあよ~! 勉強以外でスッゴく困ったこと、今でも覚えてるにゃあ……。にゃぷ~……。試験前日は、下調べも抜かりなくやった方がいいにゃあ。当日の自分に、少しでも安心感を与えるために、どうでもいいプレッシャーを減らすために、是非チェックしてほしいにゃあ。遠くで試験やる受験生は、交通機関も重要にゃあ。できるだけパパやママの自家用車で行かない方がいいにゃあよ。当日はたっくさん混むし、遅刻しちゃったら保険が効かないからにゃあ。公共交通期間なら、周りにも同じ受験生がいるから、どの道を進んで行けばいいとかもわかるし、道しるべになってくれるにゃあ!! 緊張はして当然だけど、広い視野を保ちながら受けてほしいにゃあ。ファイト一発にゃあ!!」



叶恵かなえ「ガンバりなさいよ! 受験生!! てか、こんなところで何してんのよ!? 勉強への集中が途切れたから? 勉強が嫌で仕方なくなっちゃったから? ……ったく、情けないわねぇ~。いい? アンタさ、今日まで何時間、何日、何ヵ月、勉強してきたの? 人それぞれだと思うけど、ずいぶんと長い期間やってきたはずよ? だって、学生は入学した時点で勉強を強制させられてるんだから。でも、一時的かもだけど、勉強の区切りは、試験の本場までよ? それってさ、今まで掛けてきた時間や日数と比べれば、ずっと少しだと思うわ。要は、残り僅かなのよ!! 努力重ねてきたアンタが、努力すべき辛い時間がさ。もう終盤戦を迎えてるの。あともう少し、あともう少しだから!! 最後まで、諦めんな! 叶えたい夢があるなら、なおさら挫けるな!!」



えみ「ハリキれェェ~!! 受験生!! 受験生って、ホンッッッットにスゴいと思う!! 見ててカッコいいんだよね! 必死にガンバってる、君の真剣な横顔。勇敢に問題へ立ち向かってるときの、君の鋭い目付き。勉強がモースト嫌いなアタシからしたら、受験生はもはや勇者だよ!! 男子も女子も、みぃ~んな!! そんなみんなに、アタシができること……きっとそれは、ちょっとでも心を軽くなってもらうことかな。アタシはマジ側のマジで勉強できないからさぁ~。教えてあげられることは、チョークは食べたら危険だってことくらいでね~。これでも高二で~す。エヘヘ~、お先真っ暗~……マクラ? ……でもね!! 元気だけは届けたいんだ!! ガンバる君に! 悩める君にも! どうか、明るく前向きな元気を、取り戻してほしいの!! 笑うとね、不思議だけど、すぐに元気になれるんだ。その笑顔は、そばで見た人にも伝染するんだって~。でも受験生なのに笑うって、ちょっとたいへんだよね。だからここは、このアタシが笑顔を見せるから!! ニィって口を開けて、目が閉じるほど頬を上げて、イックヨ~!! ニッヒッヒ~!!」



あずさ「ガンバれ、受験生。受験は、目の前にある大きな壁だと思う。首が痛くなるくらい高くて、飛び越えるなんて考えられないほど、大きな大きな壁みたいな物……。そんなときはね、真っ正面から突っ込んで、ぶち破ればいいだ。ブレイクスルーっていうのかな? 確かに壁は固いはず……。でもさ、分厚さなんて誰も知らないはずなんだ。だってその壁は、受験生の君にしか見えないし、そんな君は横からじゃなく真っ正面から、壁を見てるんだから。強いて言うなら、壁の分厚さって、君自身が重ねる不安なんじゃないかな? だったらそんな不安、いらないと思う。拭った方がいいと思う。だから、不安の代わりに自信を持ってほしい。信じてほしいんだ、今日までいろんな壁をぶち破ってきた、君自身を。今回の壁は、正直手強いと思う。だからこそ、負けられない闘いのはずだ。絶対に、勝って」



柚月ゆづき「ハリキんなさい、受験生。……はぁ~、ぶっちゃけた話、アンタたちの受験が成功するとかしないとか、あたしにとってはどうでもいいことよ。でもね、アンタを応援してる人を見過ごせるほど、あたしはまだ大人じゃないの。よく聞きなさい? アンタ一人だけの元に、どれだけの声援が集まってるか……。友だち、担任の先生、親戚、そしてアンタの家族。みんな想いを一つにして、必死に応援してるのよ? それを無視できる勇気なんか、アンタには無いでしょ。受験なんかで怯えてる、アンタには……。だから、結果を出しなさい!! ……とは、フフ、さすがに言えないけど~、絶対に果たさなきゃいけないことが、アンタにはあるわ。それは、みんなの想いに応えるために、覚悟を抱いて挑むこと。周囲の人たちを、喜ばせるのも悲しませるのも、アンタの次第。それは結果じゃなくて、応援者に放つ後ろ姿なの。わざわざ背中を押してくれている、応援者たちに向けて……。だからこそ、最後まで諦めちゃダメよ? みんなの想いを、ムダになんかしないで。嫌な気持ちを誘うプレッシャーとか思わないで。みんなの真心を、ちゃんと感じ取ってね」



夏蓮「ガンバリキって、受験生。今は、結果のことを考えちゃダメだよ? 余計不安になるから。未来を考えるとね、現在地が見えなくなって、自分はこれでいいのかなって、嫌な気持ちが生まれちゃうから。だから今は、今だけを考えてね。今を必死に過ごしてね。今この一瞬を、どうか大切にしてね。本番が終わるまで、ずっと。だから最後まで、諦めないで。わたしたちが、君を応援してるから。みんなで、君を応援するから。君を一人になんか、わたしたちがさせないから! みんなといっしょなら、大丈夫だから!! さぁ、本番に向けて準備をしよう。シャーペン、鉛筆、消しゴム、参考書、ノート、受験票、御守り。それから食べ物、何かあったときのためのお金。そして、勇気。全てを持って、これまでの努力の成果を見せにいこう! 輝ける君を、輝かしい未来が待ってるから。よしっ! いこう!!」




菫「ガンバってね!」


メイ「ハリキって!!」


凛「ガンバって」


美鈴「ハリキれっす!」


唯「ガンバれよ」


きらら「ハリキるにゃあ!」


叶恵「ガンバりなさいよ!」


咲「ハリキれェェ~!!」


梓「ガンバれ」


柚月「ハリキんなさい」


夏蓮「せ~のっ!」



一同――「「「ガンバリキってェェェェエッ!!」」」――




全員が成功するとは限らない、残酷な登竜門――それが受験です。そんな扉にも、勇猛果敢に立ち向かう受験生の方々には、敬意を評し、恥を承知の上で、記述させていただきます。


最後の一瞬まで、諦めないで。


一人でも多くの受験生が、どうか良い結果に導かれることを、心の底より御祈り申し上げます。また、受験生ではないが関わりある方々にも是非、少年少女たちへの協力を施してあげてください。どうか、よろしくお願い致します。



      ◇田村優覬◆


















きらら「にゃあ? きららの信次しんじくんは?」


美鈴「また来てないっすね」


夏蓮「今回は、笹浦二高の試験準備みたい……」


唯「アイツ、今後来ねぇんじゃね……?」

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