閑話 平和な魔界
初めましてですね。
私は、モロクと申します。アヴァン・ゲルドを主街とした魔電領域を統一せし我が主...
魔王アリエル・コミュニケーション様
に仕えている代理魔王で御座います。
しかし、主な仕事はアリエル様の執事同然の雑務とでも申しましょうか。
「モロク、朝飯はまだか〜!」
おやおや、ろくに話も出来ませんね。主人の怒りが沸騰する前に朝食でも準備しますか。
〜朝食準備中〜
「お待たせ致しました。こちらはお急がされたせいであまり自信の無い一品、お肉の盛り合わせスープで御座います。」
「発言に悪意を感じるのは気のせいか?」
「滅相もございません。私はアリエル様の成長の為に急いでカロリーを盛り合わせしたのですよ?。」
「魔族は生まれてから姿形は成長しないだろう!そして胸を見て言うな!!。」
「例えですよ、例え。」
「...これだけなのか?」
「申し訳ありません。昨夜にパンの在庫を切らしてしまい...代わりにこちらを準備させて頂きました。」
ダメだ、笑ってしまいそうだ。
「これは何だ?」
「麦で御座います。」
大きなお皿に、100束ほど丁寧に盛った麦をテーブルに置いた。
「どうやって食べるのだ?。」
「こちらは、口に入れてモシャモシャとするんです。」
モシャモシャ...モシャモシャ...
あぁ、まるでヤギの様だ。微笑ましい。
「中々美味しいではないか!この麦とやらは!!。」
「それはなによりで御座います。やぎさ、アリエル様。」
危ない危ない、私とした事がヤギ様の名前をうっかりアリエル様と呼んでしまう所でした。
〜朝食後〜
あの後、アリエル様に怒られてしまいましたね。いやぁ、からかい甲斐がある。
モロクは洗ったお皿を食器棚に放った。
さて、食後の片付けも終了致しましたし、昔話でも致しましょうか。
昔、と言ってもそこまで昔って訳ではないのですがね。
私モロクは、アリエル様の前魔王だったんです。この世界で魔界を魔電領域と呼ばれるようになった頃合いですかね?、私の代理魔王を務めていた現在からの前々魔王様が、産んだと言うよりも生まれたと言うべきでしょうか?、ここが先程の姿形は成長しないって事になるのですが...
おっと話が逸れましたね。その前々魔王様の娘様が魔界の女王、魔王として私の後魔王となった訳です。
私よりも桁違いの魔力を保養していて、実力としても魔王力を継承した私にはもうすでに勝てない御方となっています。強さとしては他魔王と比べると、第一次魔界大戦後で最弱の魔王と認定されています。
アリエル様が最弱と呼ばれるのは、アリエル様の特殊能力が故。かなり凄い能力なのですが一つだけ欠点があったんです。その欠点が第一次魔界大戦での最弱認定と繋がる訳ですが、命が無くなってもおかしくはない大戦だったのにも関わらず死ななかったのです。
それもその特殊能力のおかげなのですけどね。
そろそろ、貴方もアリエル様の能力が気になってきた頃でしょう?。では、心内に秘めて置いてくださいね?。
その能力は...
「モ〜ロ〜ク〜!!」
はっ!、お時間の様ですね。これからアリエル様のお暇を潰してあげないといけません。と言う事でこの話はまたお会いする機会がありましたらさせて頂きましょう。
それでは、ご武運を...。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます