第4話 岸田

「話をしよう。あれは、今から三十六万いや、一万四千年前だったか」

「何年前の話だよ」

「去年」

流石、恵子のツッコミは早い!

「間違えすぎでしょ」

「まあいい、俺にとってはつい昨日の出来事だが、君たちにとっては多分、明日の出来事だ」

「なんかキモい」

「ウザい」

「死ね」

「みんな、僕をいじめないで><」

「いじられるために生きてたんじゃないの?」

そんな人生の否定の仕方初めて聞いたぞ。

「彼には72通りの二つ名があるからなんて呼べばいいのか」

「ただの中二病じゃん」

「爆ぜろリアル!弾けろシナプス艦長!!的な?」

摩耶は、妙にガソガムに詳しいな。もしや、俺以上に調べたな?

「あの人極刑になったからこの話しすんな」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「確か最初に遭った時は、闇を統べるものだったか」

「嫌なイメージしかなかったんだね・・・」

本当にそんな感じだった。

「第一印象は、うざそう」

「実際に言われたら結構心に来そう・・・」

摩耶さんは、乙女を演じてるのか?

「あいつは、俺と話した時こんなこと言ってたな」

『我の下僕になってくれないか!我の趣味の精通者よ!!』

「痛いねぇ」

あいつは今も家では痛いらしいがな。

「つっても、俺はあの頃ミリタリーにしか興味がなかった」

「そう言われてみれば、初めてトモっちの家行った時、戦車のエフェクトパーツの隣に戦艦みたいなのおいてあったよね」

「あれは戦艦ではない!!巡洋戦艦の金剛型だ!!」

「ごめん、そこまで聞いてない」

「最初は巡洋艦として計画された。これ豆知識な」

「いらない」

「戦艦かっこいいのに・・・」

「でも摩耶は、俺と同じくらい知ってるぞ。といっても、俺が二年かけて吹き込んだだけだがな・・・」

「いきなり話を戻すが、あいつは、アニメドワィスキィー人間だった」

どっかのシュミレーションゲームのCMみたいだな。

「今知ってることも、あの頃は知らなかったんだぜ」

要するにネタの引き出しが小さいということだ!

「あいつ昔は俺のことを逆に崇拝してたんだぜ、ありえないだろ」

「ありえない」

「でも、俺は昔からあいつはクズだと思っていた」

「無関係な俺さえも取り込んでな」

結局のところ摩耶と恵子は真剣に聞いてくれた。

「結論:あいつはクズ、二度と関わるな」

やっぱりこれに尽きた。

「じゃ、生徒会の話でこの話持っていきますか」

「では、お疲れ様〜」

「バイバイ」

三人はそれぞれの帰路につく。それは、新たなる問題の始まりでもあった。

                     続

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