第3話 あたり前の秘策

結局、二時間ロッカーをひたすら拭いて、掃除が終わった。

何度、集中力が切れそうになったかとても数えられないほどに疲弊していた。

「じゃ、摩耶さんとお別れしますよ」

いきなり気が狂ったが知らないが、恵子が敬語を使い始めた。

「じゃあな」

「昔みたいな元気な姿になってまたみたいよ!」

そんなことを言われると、とてもじゃないけど、やはり厳しいと思った。

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「お疲れ様」

「そちらこそ」

「あと、俺と話すときは敬語じゃなくてもいいんだぞ?」

「はいはい」

自分でもテキトーな返事だと思った。

「あと、」

「うん?」

「勉強しないとダメだぞー、うりうり」

頭をグリグリしないでくれ・・・

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翌日の教室

「じゃーん」

「どした?」

「あげる」

それはドーーーンと積み上がった赤本だった。

「あの、まだ大学入試じゃ」

「勉強しなさい!」

あの、新手のヤンデレですか?マヤ=サンに嫉妬してるんですか?

「あんたがモテないのはどう考えても一回勉強が疎かになったのが悪い!」

どっかのマンガのタイトルに酷似してるじゃねぇか。

「いや、これ以外にも原因あるんだが、岸田とか岸田とか岸田t(ry」

「全部岸田じゃないの!」

「なんかそろそろ教団付けたくなるから、もうこの話はやめ」

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「どれから手つける?帝大?」

「どうして弱そうなやつから突くんだよ」

「早稲田?慶應?それとも折田先生像のあるところ?」

「京大はなんだかんだで遠いだろ」

「難しいからこれで決まり!」

恵子が見せてきたのは、赤本なのかよくわからないピンクの本だった。

「最難関大学(神セブン)攻略新書!」

「どこに頼んだ!?DNP!?それとも凸版か!?」

「知らない。勝手にポストに入ってた」

あんたの親は、某ナデ○コ映画のラスボスみたいな名前のテスト作る会社の人かよ。

たしか、どっかの県の高校受験をサポートしてるとかしないとか。

過去問まで作るらしい。丁寧すぎるだろ、山ちゃん。

「じゃ、超基礎問題からね」

なんでここからあるんだよ。

「なつかし〜!方程式の利用じゃん!!」

ほんとに懐かしいな。中1の時全然出来なかった覚えがある。

「はい!このページ全部解いて!」

ニュージェネレーションの狂気やわ。

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「答え合わせ終わり!」

「高校入試の問題なんで収録されてんだよ・・・」

「知らない」

知っとけよ・・・

「何よりも基礎が大切!」

「基礎より応用の方が必要じゃね?」

「日本は基礎研究疎かにしてるから、ノーベル賞この先取りづらいって言われてるよ」

そんな前例があったのかと少し納得してしまった。

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「あきた・・・」

「はい、最後頑張って!」

そもそも、なんであんたが教えてるんだよ。某DESTINYの主人公みたいに逆ギレしてやろうか?

「オワタ」

「おつかれ〜」

って、摩耶!?なんで居るんだよ!

「ハロー、トモっち」

「てか、超チャラくなったな」

「あたし、パリピだし」

絶対嘘だろ、お前。

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「なんかさぁ、最近岸田がウザいんだよね」

「あのクズがどうかした?」

「クズ呼ばわりなんだ」

ついでに、竜王って付けたくなりそうになった。おしごとかよ。

「あいつさ、あたしのあと、会長やりたいって言い出してさ」

「「な、なんだってー!!」」

ノストラダムスの大予言マンガ並の反応をうっかりしてしまった。

厳密には放課後ミステリー倶楽部的な何かな。

「あいつに何やりたいって言ったら、知生の存在抹消って言ってきたんだよね」

あいつ、ただ単にリア充爆発しろと言いたいだけなんじゃねぇか。

俺は、頭の片隅でそんなことを思って、話した。

「奴がクズと言ったな、本当だ」

「え!まじ?教えてよギャル子さん?」

俺ギャルじゃねぇんだけど、まあいい、教えてやろう。ついでに鈴谷改二&航改二実装おめ。俺はまだ手に入れてないけどな・・・

                     続

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