第22話 焼きそば

 朝になり、わたしはメールの確認をする。新着メールの中に、翔さんの名前があった。

 そうか、今日は日曜日で、予定通りならば翔さんもお休みだ。

「おはようございます、翔です。

 今朝は昨日よりも、いくらか涼しい気がします。

 そろそろ秋ですね」

「おはようございます、りんです。

 もう、秋ですね。

 わたしは、昨日衣替えをしました。

 きっと、冬ももうすぐですね」

「ぼくも衣替えをしないと、夏物だらけです。

 今年のうちには冬が来てしまうので、きっとすぐだと思います」

 今年は、どんな冬になるのだろうか。雪が大量に降るのは、困ると思ってしまう。雪かきの必要はないのだが、道が凍ると危険だからやはり雪は困ると思う。

「四季があるから、衣替えも必要ですね。

 雪が大量に降るのは困りますが、雪自体は嫌いではないです」

 わたしはメールを送信して、ベッドから起き上がる。

 確かに、少し涼しいかもしれない。

 お湯を沸かして、冷蔵庫からさくらの塩漬けを取り出す。マグカップに、さくらの塩漬けを入れてから、お湯をさす。さくらの花びらが、マグカップの中に広がった。ちょっと、しょっぱい味だった。

 それから、冷蔵庫の中を見つめて、キャベツと焼きそばを取り出す。

 大きめに切ったキャベツは、さっと洗ってザルに上げる。それから、フライパンで焼きそばを作っていく。三人分は、どう考えても食べきれないので、今と夜とで、二人分だけ作ることにする。

 意外と早く出来上がった。

 半分をタッパに取り分けて、残りの半分をお皿に入れた。

 お皿に盛られた焼きそばは、キャベツが入っているからか、いつもより量が多く見えた。

 さっき飲んださくらの塩漬けがしょっぱかったせいか、焼きそばの味が薄味に感じる。でも、味付けを濃くしたいとは思わなかった。

 午後からは特にすることもなくて、テレビを見たり、本を読んだりしているうちに夜になっていた。

 本を棚に戻して、入浴をすませる。

 そして、電子レンジでお昼の残りの焼きそばを温める。テレビを見ながら食べていたら、途中でお腹が一杯になってしまった。あと少しだったから、どうしようかと少し考えて、食べかけを残しておいて食中毒になったら嫌だなと思った。わたしは、もったいないけど、その残りを捨てることにした。

 明日からは、なるべく食材を捨てなくてもいいように考えて料理をしようと思った。

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