第4話 気づけば明日
昨日はなんだか、一日が過ぎるのが早かった。
あれからサンドイッチを作って、残ったパンの耳を冷蔵庫にしまった。パンにはからしバターを塗って、薄焼きたまごとハムとレタスを挟み込んだ。自画自賛ではないが、意外と美味しくて、昼食に続き夕食もサンドイッチにした。
三食連続で食べる気にはなれなかったが、パンの耳が冷蔵庫にしまってあることを思い出して、ラスクを作ることにした。
適当な大きさにパンの耳を切って、フライパンにバターを溶かす。そこにパンの耳を並べて、さて、どうしましょうとしばらく焼いてみた。するとだんだんとカリカリという歯ざわりのしそうな色になってきた。そのままお砂糖を振りかけて、器に盛り付けてみたらまぁまぁ美味しそうに見える。試しに一つ食べてみた。カリカリとはしていない。しかし外側はサクッとしていて、ラスクとは違うのかもしれないがこれはこれで美味しい。
そういえば今日はまだ掃除機をかけていない。だから、代わりに雑誌の整理をすることにしよう。
最近の雑誌は付録が充実しているので、つい購入してしまうときがある。例えばレザー調のミニトートバッグは重宝していた。とうとう持ち手の端が切れはじめてしまって、普段使いをするにもためらうようになっていた。
そこで、次の雑誌だ。こんどのミニトートバッグもなかなか使い勝手がいい。こうして、わたしの部屋の雑誌とその付録が増えていく。付録は割りとすぐに捨てるのだが、雑誌はなんとなく取っておいて、いつか捨てようとしていた。だから、わたしは今日こそは雑誌を束ねようとビニール紐を手に取り、作業をはじめた。
雑誌を買うといっても、一年間で数えれば三回くらいだろう。四ヶ月に一回。それでも部屋には十冊近くある。この雑誌にはあれがついていて、こっちの雑誌にはこれがついていたのかと、考え出したらきりがない。無心になるというのも、難しいことのようだ。
一時間ほどで、雑誌ともう使えなくなった付録をまとめることができた。次のゴミ出しの日に、捨てようと思い玄関の近くに積んでおく。
時計を見れば、もう午後だった。
あと一日も経たずにわたしは新宿に行くのだなと思った。
頭が無意識に、明日は何を着ていこう、どの靴をはいていこうと考え出す。あれ、もしかして、わたしは明日が楽しみなのかなとふと思った。
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