鏡の国(3):検視官鷲家口眠と奇妙な遺体
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地方の小さな病院ではあるが、解剖室の設備は整っている。環境が整っているのは良い仕事に繋がるが、解剖室を新調する予算があるならば、古ぼけた院内を直した方が良い。
院内の案内を申し出た事務長からはそのような発言は一切なく、改装した解剖室の設備について嬉々として話続けている。
死因の解明は、遺族の納得と、未来の患者たちへの救いになる。鷲家口眠も、院長が話す解剖に求める役割に異論はない。
しかし、他方で、死体はいくら金をかけて調査しても生き返ることがない。解剖により得られたものを次に繋げるというのならば、臨床に対しても予算を割くことも必要になる。
この病院のように、解剖室だけに多額の予算を投下する理由はないのだ。
「もしかしてさ、司法解剖受けられる病院って補助金とかがでるの」
隣を歩く寝ぼけ眼の事務局員に囁いてみたが、彼は困惑した表情を浮かべただけで、眠の皮肉が通じる様子はなかった。
事務局長による自慢八割の病院紹介が終わると、局長の退室と共に二名の警察官が顔を覗かせた。片方の顔には見覚えがある。遺体発見現場で話した警察官だ。
「遅くなったと思ったのですが、先生の方も、ちょうどいいタイミングでしたか」
「できればもう少し早く来てくれると手早く仕事に取り掛かれた。事務長の箱物自慢を聞かされても、遺体の死因はわからないですから」
明確な厭味をぶつけてみても、事務局員はぴんと来ないようだ。この調子では、事務局長自身も、あの院内案内は適切なものだと本気で思っているに違いない。
事務局員は、警察官と眠の顔を何度か見比べると、頭を下げて部屋を出て行った。知り合いの警察官の後ろからは、がっしりとした巨体の老人が顔を出す。強行犯係の係長だという。
「最近はだいぶ老いが来ていてね、到着までに時間がかかってしまってね。身体が徐々に言うことを聞かなくなってきているんだ」
老刑事が肩を回すとごきっ、ごきっと鈍い音が響いてきた。どうやら、鍛えているように見える身体でも、相当に疲労が溜まっているらしい。
「それで、現場だけでなく、病院にまで招かれたということは、署からの正式な捜査協力依頼ということでいいんでしょうか?」
「ええ。もちろんですよ。私に権限があるわけではありませんが、知見を存分に借りなさいと、課長から言われております。鷲家口眠先生。」
*****
鷲家口眠は、検視官として働いている。
眠は、検視官を職務に選んだのは、生きた人間と顔を合わせくてもできる仕事だと考えたからだ。死体の死因解明、霊安室や解剖室で触れる人間はほとんどが息をしていない。面倒な人間関係が少ないよい職務環境なのだろうと思っていた。
ところが、鷲家口の予想に反して、この仕事には警察官という面倒な人間関係がつきまとう。彼らは、死因は何か、凶器は何か、犯人につながる手がかりがないか、まるで眠が犯人を突き止められると言わんばかりに質問攻めにされる。
そんな生活が続くうちに、眠は警察のことがすっかり嫌いになり、さらには自分の仕事のことも苦手になってしまった。死体の顔すら生きているように見え始め、気がつけば家から出られなくなった。
待っていたのは、連日のように引きこもり、自室で見つけたネットニュースの整理を続ける生産性のない日々。殺人事件のニュースを見つければ、ネットに落ちている現場写真を探して集め、死因に関する情報が出てくれば、現場の状況と照合してみる。しかし、報道では、実際の死体をみるのよりもはるかに情報量が少ない。結局は何もわからないまま部屋の中央で寝転がり朝を迎える。
そんな鷲家口の閉塞した日常を打開したのが等々力(トドロキ)と名乗る警察官からのメールだった。彼は、広域犯罪の捜査を担当する捜査官と名乗り、鷲家口に捜査協力依頼を打診してきた。
等々力は、事件の特殊性、そして適切な検視ができる人員がいないことを理由に、仕事に穴が開いていた眠に仕事を紹介したいといった。等々力の所属する課において、検視が必要となる事件があるときだけの出張検視依頼。旅費や捜査にかかる費用は全て等々力の属するセクションが負担。眠には、依頼への対応以外で仕事をする必要がない程度の報酬。
自室から出られない閉塞感に、寂しくなった懐具合。その時の眠にとっては、引き受けない理由がない条件だった。
それから4年。鷲家口眠は、等々力からの連絡を受け、全国の犯罪現場に赴く生活が続いている。以前と変わらず、現地の警察官は眠に対して探偵役を求めてくるし、等々力とその同僚が持ち込む事件は、眠が見たことがない死体と奇妙な現象に包まれている。
今回の仕事も今までと相違なく、奇妙な死体とセットである。いつもと少し違う点があるとすれば、解剖対象の死体を眠自身が発見したことだけだ。
等々力とは、警察署にて待ち合わせる予定だった。駅からバスで15分ほどだと聞かされていたが、駅に到着したときには待ち合わせ時間まで2時間の余裕があった。
しかし、2時間の余裕では、駅前通りをゆっくり見て回るまでには時間が足りない。食事も済ませているため、飲食店に入る気にもならない。眠は、駅前に広がる通りを下り、港の様子を見て歩くことにした。
眠の住む町には海がない。港町のため、海岸線は効率の良い漁業のためにコンクリートで固められているが、それでも見慣れない景色に少し心が踊る気がしていた。
だが、眠の観光気分は漁港に留まった2台のパトカーにより一瞬で消し飛んだ。
パトカーは、漁港近くの倉庫の前に停められていた。倉庫は地元の漁業組合の冷凍庫として使われているらしい。防寒着の職員が数名、岸壁に停車したパトカーの様子をおそるおそる覗いていた。
パトカーには警察官は乗っていなかった。岸壁の下に続く階段を覗き込むと、真下に青いビニールが広げられ、そこに奇妙な死体が転がっていた。
「おい。一般人が覗き込むな」
眠に気づいた警官が声をあげ、階段を駆け上がってくる。一般人が覗き込めるような状態で死体を確認している方が悪い。険しい顔つきで迫る警官に、身分と等々力の件について説明をしても、警官の表情は変わらない。
たっぷり10分近く説明をして、警察署に連絡してもらった結果、ようやく身元が判明したらしい。先ほどまでとは一変して柔らかい表情になった警官は、階段下の死体の場所まで案内してくれた。
結果、眠は、その奇妙な遺体に直面した。
「それで、結局、その死体の死因はわかったんですかね、先生」
遺体の検分をする後ろで、老刑事が早々と質問を投げかけた。
死因は腹部損傷からの大量出血による失血死。腹部の損傷は、棒状の物体が貫通した痕だ。現場でみたとおりの状況だ。先端を尖らせた鉄パイプ、それがこの遺体の身体を深々と突き刺し、そして命を奪った。
「死因だけみれば、特段不思議なことは何もないんですけれどね」
この遺体の一番の特質は両手足のガラス細工だ。検死台に置かれた遺体は、左手から腕にかけて人間とは思えないほど透き通り、輝いている。遺体の脚もそうだ。ひざ丈から上について、同じ異常が生じている。
遺体の両手足にあるそれは、いずれも、遺体の両手両足に向かって幾重にも根を伸ばしている。根は遺体の切断面、ちょうど血管に合わせて差し込まれているおり、凝固前の血液が根に流れ込んだのがわかる。
どうやら、根のように張られたガラス細工は中が空洞になっているらしい。
「こんな死体は見たことがない。両手足のこれは身体が変質したものなのかもしれないですが、人間の身体が硝子みたいになるという話は聞いたことがありません。
普通に考えるなら、両手足を切断したうえで、手足に模したガラス細工を作ったという方が自然でしょう。でも、奇妙なのは遺体との接合部分です。両手、両足、すべての部位の接続面は、被害者の血管に差し込まれている。
でも仮にそうだとすると、両手足に接続されたこのガラス細工は、被害者の血管に沿うように形状を調整したことになる。これじゃあ、身体を切断してからそれに合わせてガラス細工を作ったみたいじゃないですか」
眠の答えに、背後の老刑事が息を呑んだ。なぜそこで? と眠は疑問に思う。向かいに立った若い刑事は、遺体の切断面とガラス細工をまじまじと眺めている。
「人の血管の位置って、誰もが一緒なんじゃないんですか」
「だいたいの位置を決めて作ったガラス細工の腕を遺体と繋げた。まあ、ありえない話ではないでしょうし、確かめるには、遺体とガラス細工を外すところからですね」
口にしてみたものの、血管に刺さった根を壊さないように腕からガラス細工を取り外すのは相当程度難しいだろう。無理やり外すと遺体に刺さっている根が壊れるかもしれない。
「そういえば、署には連絡が行ったと思うのですが、等々力という警察官が捜査協力に来ていませんか?」
等々力の名前を出すと、二人の刑事がごきゅりと喉を鳴らした。後ろを振り返ると、老刑事の顔からは表情が抜け落ちて、視点が定まっていない。
「等々力さん……そういえば先日署の方にそういう苗字の方がいらしていましたね」
返答は老刑事の口から出てくるが、抜け落ちた表情は変わらない。
「さっき、そちらの刑事にも話したのですが、僕は等々力さんから捜査協力依頼を受けてこの街に来ているんです。まだ、等々力さんと会えていないのでどのような案件なのか聞いていないのですが」
等々力が持ち込んでくるのは、奇妙な事件だときまっている。例えば、死体の一部が硝子化した事例のような
「ひょっとして、同じような死体が前にも見つかっているんじゃないですか?」
*****
一通りの検分を終え、眠はホテルに戻る前に警察署に顔を出した。
等々力正行(トドロキ‐マサユキ)は、署内の待合室で、へらへら笑う交通課課長との雑談に花を咲かせていた。眠が待合室に顔を出すと、20代前半だというのに頭皮が見える頭を左手で撫でながら、糸のように細い目をさらに細くした。
「お待ちしていましたよ。鷲家口先生。待ち合わせ時間になってもこちらに来られないので肝を冷やしていたんですよ」
「肝を冷やすって、僕が何をしていると思っているんですか」
「いえ、先生のことだから、昼から所持金もなく飲み屋にでも通って無銭飲食で困っていたりしないかと」
「しません」
等々力は眠のことをどう見ているのだろうか。思わず額に手を当ててため息をついてしまう。
「さきほどの交通課の人からも一通り聞きましたよ。私が話をする前に、例の死体を発見したとか」
例の死体。
「ええ、私が相談しようと思っていたのとは異なる事件ですが、鷲家口先生も見つけたのでしょう、硝子化した死体」
硝子化、その単語を出すとき、等々力は待合室の周りに誰もいないことを確認した。署内の人間には聞かれたくないということだろうか。
「秘密にしておく必要はないのですが、どうにも、署内の人々は硝子化死体の件について敏感な反応を見せるので扱いに困っているのですよ」
「やはり、硝子化死体は今回以外にもあったんですね」
等々力は頷き、待合室のテーブルに置かれたファイルを示した。どうやら、単に雑談をしていたわけではないらしい。
「私が鷲家口先生に頼もうと思ったのは、こちらのケースです。死体が発見されたのは3か月前。交通事故で死亡した男性なんですがね。轢かれた遺体は腹部と頸部が硝子のようになり砕け散っていたとされています」
腹部と頸部。眠が見つけた死体とは異なる部位が硝子化していた。
「事故自体はいたって典型的な事件でして、既に犯人も逮捕済です。そのため、事故当時、被害者の硝子化に関して詳細な捜査はなされませんでした」
「本当に? 交通事故だとしても、首が硝子化していたのであれば死因は異なる可能性もある」
「硝子化という表現が適切かは一考の余地ありだと私は思っていますがね。だから、先生に捜査協力に来てもらったのです。どうにも、ここの警察は、件の死体に関する捜査に消極的ですので、今回の事件ではできることは少ないのですが。
先生が見つけた死体の件については、私の方から捜査協力できるように根回しをしておきます。相談したかった3か月前のケースについても、必要な資料は集めますので、明日いっぱいほど時間をください」
*****
硝子化遺体を発見してから三日。この街以外に似たケースがないか照会しているが、該当事例の報告は上がってこない。この街特有の事象だというならば、何か手がかりはないかと資料館を訪れたものの、刻無館長は、終始、鷲家口眠の仮説は見解の相違であるとして取り合わなかった。
資料館で知り合った水鏡紅と名乗る少女と共に、職人街をぶらついてみるも、人間を模倣したガラス細工を扱う店は見つからない。
「結局、らしい手がかりは何もないか」
思わず落胆の声を上げると、隣を歩く水鏡がこちらを見た。
「やっぱり、鷲家口さんは何か探してあの資料館に来ていたんですか。それじゃあ、私に声をかけたのも独りよりも二人のほうが館長に掛け合いやすいから」
水鏡に目論見を見抜かれて、眠は、なんだか恥ずかしくなった。
詫びに食事でもどうだと彼女を誘うと、連れがいるので同席したいと持ち出された。二人とも駅前のビジネスホテルに宿泊しているらしいので、駅前の海鮮料理屋の予約をとった。
ところが、海鮮料理屋に顔を出したのは、水鏡紅一人だけだった。
「ホテルの部屋にはまだ戻っていなくて、別の調べものを済ませてから来ると言っていました」
そう言って、彼女はエビのホイル焼きと魚の香草焼きに目を輝かせた。視線で食べてよいと伝えると、彼女は勢いよくそれらの食べ物を頬張った。
「ところで、水鏡さんとその」
「久住音葉。私たちが街に来ている理由は、鷲家口さんとは違うと思う。けれど、もし鷲家口さんが、この街のガラス細工のことを調べているのだとしたら、互いに協力できる部分はあるかもしれない」
彼女が同行者である久住音葉を呼んだ理由はそこにある。
「音葉が来るまでまだ時間はあるから、まずは、私たちの話からしておくね」
水鏡は、頬張っていた料理を呑みこみ一息つくと、彼女たちが町を訪れた事情を話し始めた。
きっかけは、篠崎ソラという雑誌記者が、3か月前にこの街に広がる踊るガラス細工の噂について調査を始めたことにあるという。その雑誌記者は平時はグルメレポートをしているらしいが、取材先の店でガラス細工の噂を聞いたのだという。
彼女に噂話を教えたのは、全国を旅行して歩いているとある大学生だ。彼は、港町を訪れたとき、ガラス細工の職人たちから、不思議な技術の話を聞いた。
学生に話をしてくれた職人いわく、港町以外でも、ガラス細工は多く作られているが、この港町のガラス細工は一味違う。それは、先住民の宗教的な象徴として作られた技術が進歩したものだという。
職人から話を聞く前、学生が見たガラス工房では、先住民の技術を使った細工などは見かけなかったため、学生は職人たちに、どこが特殊なのかを尋ねた。職人たちは、その話をすることをだいぶ渋ったが、学生が根気強く飲ませ続けた結果、職人の一人が話したのが、動くガラス細工だったという。
硝子細工が具体的にどのように動くのかについて、職人は話さなかったという。だが、仮にそれを目の前にしたならば、誰であろうと通常のガラス細工とは異なることがわかる。生物のように動くガラス細工は他にはありえないと語ったらしい。
「と、私たちが聞いた噂はそこまで。音葉にこの噂を話した篠崎さんも何度かこの街を訪れたらしいのだけど、動くガラス細工は見つからなかった。ここまで聞いて、音葉は動くガラス細工の噂の真偽判定を引き受けたの」
水鏡たちが求める動くガラス細工の話は、眠と等々力が見た硝子化した死体のことを想起させるものだ。だが、眠は硝子化した遺体をみただけであり、それらが生前も硝子のまま活動していたかはわからない。
水鏡が資料館を訪れたのは、動くガラス細工が先住民の技術を使ったものであるという点を気にしたからだろう。彼女たちに噂を教えた雑誌記者は職人街に何度も赴いているが情報を得られていない。
資料館に、歴史的な側面から、手がかりが見つかると踏んだのだろう。
だとすれば、連れの久住音葉という人物は、資料館ではなく職人街を訪れていた可能性が高い。だが、今までの話に基づく限り、久住音葉が新たな情報を手にする可能性は低い。むしろ、動くガラス細工の噂を聞いた大学生のほうがレアケースなのだ。
ただ、少なくても彼女たちが調査している動くガラス細工に関する噂は、眠が見た硝子化死体の謎に近づくためのカギとなりうる。
とにかく、もう少し水鏡たちの話を聞こう。必要なら眠も水鏡たちに協力したってよい。死体の硝子化は未知なる現象だ。だからこそ、情報が多ければ多いほど良い。
そう思ったときだ。タイミングよく、一人の青年が顔を出した。青年は、水鏡を、正確には彼女の食べ終わった皿の量をみて、驚き、眠に向かって深々と頭を下げた。
彼は、久住音葉と名乗った。水鏡がすでに話した事情を大まかに彼に伝えると、彼は再度、眠に向かって深く頭を下げた。
「見ず知らずの人に、こんな奇妙な話に付き合ってもらって本当にすみません」
そういって頭を下げる青年に、眠はこちらこそ悪かったと謝った。目を丸くして眠の顔をみた彼に、水鏡との資料館での刻無館長とのやり取りを話してやる。
久住も概ねの事情が把握できたところで、二人の顔をみて、問いかけた。
「乗り掛かった舟だ。僕は君たちの調べ物について、可能な限り調査に協力しようと思う。けれども、君たちは僕の事情を知らない。水鏡君はさっき、僕が何を調査しているのか気にかけていたけれども、今までの話を聞いて、久住君は、僕が何を調査しているのか興味があるかい?」
ずるい聞き方だと思う。彼が港町に来た事情を聴けば、こういう尋ね方で、彼の興味を惹けるという打算がある。案の定、久住音葉は話に乗ってきた。
だが、どんな尋ね方をしたといえど、話を聞きたいと言ったのは彼らだ。眠は、彼らの意思を尊重して、自分が見てきた奇妙な遺体の話と、彼らの求める動くガラス細工のつながりについて話をするに過ぎない。
「僕はね、この港町で硝子化した死体を見た。そもそもこの街にきたのは硝子化死体の調査を頼まれたからなんだよ」
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