戦車⑩

 帝国軍が運用した戦車。

 モデルはナチス・ドイツ軍が運用した3号戦車J1型、


スペック

・全高2.5m

・全幅2.9.0m

・全長5.56m

・自重21.8t

・発動機マイバッハHL120TRM液冷12気筒V型エンジン(300馬力) 1基

・最高速度40km/h(路外20km/h)

・航続距離175km(路外100km)

・武装5cmKwK39 L/60戦車砲 1門(84発)

   7.92mmMG34機銃 2挺(計3750発)


 ナチス・ドイツ軍が運用した初の主力戦車。

 本車の登場以前まで、ドイツ軍の保有する戦車は、開発生産経験を積むための習作的な1号戦車や、運用経験を積むための訓練用軽戦車の2号戦車といった、補助的な戦車しかなく、1937年に本車が登場する事でようやくドイツ軍は主力戦車を獲得する事が出来たのであった。

 しかし、A型からD型までは足回りの試験を兼ねた試作型というべき有様で、使い物になる主力戦車となるには1938年12月にE型が登場するまで待たなければならなかった。

 その後も火力や装甲の強化が行なわれ、幼女戦記アニメ10話に登場するJ1型も経て、最終型のN型で戦車としての生産は終了し、以降は派生型である突撃砲の生産のみとなる。


 なお、スペックの項目で最高速度を40km/hと記したが、この数字は当時のドイツ軍が、履帯の損耗を抑える為の最高速度として規定したものであり、実際の機械的限界な最高速度はそれ以上の数字が、しかも一部の型式においてはなんと70km/hもの速度を発揮する事が可能であったようだ。

 これを示すエピソードとして、ソ連が1940年夏にドイツから購入した3号戦車G型を試験した所、最高速度69.7km/hを記録してしまったというものがある。

 何らかの原因によってソ連側に最高速度規定が伝わっていなかったか、ソ連側が故意に規定を無視したかは不明であるが、快速戦車Быстроходный танкの名を冠する自軍のBTよりも快速なこのドイツ製戦車によって、ソ連軍が大混乱に陥ったのは一つの事実である。

 この名残からか、旧ソ連構成国のベルラーシやロシアの企業が開発した某戦車ゲームにおいては、これら当時のソ連が記録した資料による数値がゲーム内に適用されているようで、3号戦車シリーズの最高速度が高く設定されている。

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