散弾銃⑩

 協商連合のとある航空魔導師が杖とした散弾銃。

 モデルはアメリカ軍制式である塹壕戦仕様のM1897という散弾銃。通称であるM97トレンチ塹壕ガンの名で紹介される事が多い。


 また、この航空魔導師が扱っていたM97トレンチガンの黄金色の弾であるが、これは魔道刻印が無いものは実在している。

 本作の一つのモチーフである第一次世界大戦においてアメリカは、散弾銃をおよそ2万丁ほど運用していたのであるが、当時一般的であった紙製のシェル散弾銃の弾の外装は泥水まみれの塹壕戦に適さず、そこで用意されたのが本作にも登場したこの黄金色の真鍮製シェルである。

 この真鍮製シェルは第二次世界大戦でも運用され、現代で主流なプラスチック製シェルが登場した後も、在庫の残っていたベトナム戦争序盤でも使用された。


 なお、アニメ本編では10話で初登場し、続く11話では導入部に10話のシーンが再度映されたが、よく見るとこの中で本銃に変化が起きている。

 10話と11話で背負われていた本銃であるが、10話では銃口下部に銃剣が取り付けられていなかったのに、なんと11話では銃剣が取り付けられているのだ。これはおそらく、10話で銃剣を描写し忘れてしたものと思われる。


スペック

・口径12ゲージ(18.1mm)

・銃身長510mm

・使用弾薬12ゲージショットシェル

・装弾数6発

・全長1000mm

・重量3.6kg


 ウィンチェスター社が開発した散弾銃であるM1897のライオットRiot:暴動仕様を元に、銃身には火傷防止の為のジャケットが被せられ、近接戦闘用にM1917ライフル用の銃剣を取り付ける為の着剣装置が装着された、まさに塹壕戦専用といえる散弾銃である。


 本銃は、その余りの威力に対戦国であるドイツ帝国が戦時国際法に違反しているとして抗議する程であったが、そのような攻撃的印象とは別のエピソードもまた存在する。

 なんとアメリカ兵は本銃で、ドイツ兵が投擲してくる手榴弾や、さらには迫撃砲弾までもを撃ち落としていたのだ。クレー射撃のトラップ競技と同じ要領で撃ち落としたとされているが、自身や戦友の命を賭けたクレー射撃に臨むアメリカ兵の負担たるや想像を絶するものに違いないだろう。


 なお、現状においてアニメ版幼女戦記の本編に登場する銃の内、エアガン化されているのは本銃の他、帝国軍憲兵隊のKar98kと協商連合軍航空魔導師のM1ガーランドのみである。

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