自動拳銃⑤

 ダキア大公国軍の将校が携帯する自動拳銃。


 モデルはオーストリア=ハンガリー帝国軍制式のロス・ステアーRoth–SteyrM1907自動拳銃。また別名としてはロス・クルンカRoth-KrnkaM.7とも。


スペック

・口径8mm

・銃身長130mm

・使用弾薬8mm×18ロス・ステアー

・装弾数10発

・全長230mm

・重量1.03kg

・銃口初速330m/s


 オーストリア=ハンガリー帝国軍が1907年に採用した自動拳銃。

 設計は同国の弾薬製造工場で働いていたチェコ人技術者カレル・クルンカによるもので、これが1906年に行なわれたオーストリア=ハンガリー帝国軍の次期制式拳銃トライアルで採用を勝ち取った。この後、本銃の全ての権利をオーストリア=ハンガリー政府が購入し、同国のŒWGオーストリア兵器工場共同体(後のシュタイヤー・マンリッヒャー)などで量産された。


 本銃の特徴は、本銃が自動拳銃の黎明期に開発された事に由来する点が多い。それというのも、現代で主流となっている自動拳銃とは大きく異なる要素を多くもっているのだ。

 まず外観としては可動式のスライドを持たず、その代わりに日本の十四年式拳銃にも似たボルトノブが可動する。

 さらに、黎明期からほぼ全ての自動拳銃が備えている着脱式弾倉すら本銃は採用せず、装填時にはボルトを後退位置でストップさせた状態で銃上方の開口部から、ボルトアクション小銃と同様にクリップを用いてグリップ内部の固定弾倉へと装填する。

 また、本銃は安全装置も無い。その代わりと言うべきかトリガーが重く設計されている。というのも本銃はボルトノブを引いてもストライカーは完全にコッキングされず、そこからトリガーを引く事でシアーがストライカーを押し下げ完全にコッキングされるようになっており、これによってトリガーを引く時にはトリガースプリングの他にもストライカースプリングの反発力も掛かるのだ。

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