ダキア大公国の兵器(アニメ版)

主力小銃⑤

 ダキア大公国軍のほぼ全ての兵士が戦場の友とした小銃。

 モデルはオーストリア=ハンガリー帝国軍制式のマンリッヒャーMannlicherM1895小銃。

 ただし、ダキア首都のタルベリウス兵器工廠に配置されている警備部隊が持っていたライフルにはマンリッヒャーM1888の特徴も見られるため、前線部隊と後方部隊で運用する小銃が異なる模様。

 あるいは作画資料の取り違えによるミスだろうか。工廠警備部隊の持つ小銃にはボルトアクション小銃には必須のボルトハンドルが描かれていないなどミス(あるいは省略?)が見られるので、この線も濃厚である。

 また、ミニアニメのようじょしぇんき第6話において、本小銃が「単発式歩兵銃」であると言及されているが、実際には装弾数5発の弾倉を備えた連発式であり、アニメ本編でもダキア兵はターニャらに対して本銃による連発射撃を実施している。


スペック

・口径8mm

・銃身長765mm

・使用弾薬8mm×50マンリッヒャー

・装弾数5発

・全長1272mm

・重量3.78kg

・銃口初速620m/s


 オーストリア=ハンガリー帝国軍が1895年に採用したボルトアクション小銃。


 この小銃の特徴は、動作方式にストレートプル・ボルトアクション方式を採用している点にある。

 一般的なボルトアクション方式(ストレートプル方式と対比して示す場合にはターニング・ボルトアクション方式とも)において装填に伴うボルト操作は、ボルトハンドルを起こす、引く、押す、倒す、という4つの操作を要するが、このストレートプル・ボルトアクション方式では、引く、押す、という僅か2つの操作で済むのである。

 このためストレートプル・ボルトアクション方式を用いる小銃は、他の一般的なボルトアクション小銃よりも速射性に優れ、よく訓練された兵であれば自動小銃にも劣らない火力を発揮出来た。

 しかし、こういったメリットとは裏腹に、ボルトアクション機構が複雑になり砂塵などの汚れに弱くなってしまったり、製造コストが嵩むなどのデメリットも孕んでいるため、軍用小銃としてはあまり一般的な方式ではない。


 だが、このマンリッヒャーM1895の設計製造を担ったŒWGオーストリア兵器工場共同体(後のシュタイヤー・マンリッヒャー)はストレートプル・ボルトアクション方式小銃を得意とし、数々の同方式小銃をオーストリア=ハンガリー帝国軍への制式採用させ、他多くの国への輸出実績を誇っている。

 また、このシュタイヤー・マンリッヒャー社であるが、後の1977年にはブルパップ方式アサルトライフルとして知られるAUG(こちらはステアーの読みで有名か)を開発してオーストリア軍に採用され、こちらも多くの輸出実績を誇っているなど現代でも優れた銃器メーカーの一つである。

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