主力小銃②

 レガドニア協商連合軍のほぼ全ての兵士が戦場の友とした小銃。

 モデルはアメリカ合衆国で開発されたM1917エンフィールド小銃。

 おそらく作中では合衆国から輸入されたものと考えられる。

 また、アニメ本編第7話においては一部の協商連合航空魔導師も本銃を装備していた。これは戦況の逼迫により航空魔導師が本来装備する自動小銃が枯渇した事を描写したものと考えられる(あるいは作画の取り違え?)。


スペック

・口径7.62mm

・銃身長660mm

・使用弾薬7.62mm×63スプリングフィールド

・装弾数6発

・全長1175mm

・重量4.17kg

・銃口初速823m/s


 この小銃の出自は少々特殊である。


 まず、1914年8月4日にWW1に参戦したイギリス軍は大動員を実施したのであるが、これに際してイギリス軍制式のリー・エンフィールド小銃SMLEが不足し、イギリスはこの不足分を当時中立国だったアメリカからの輸入で賄おうと画策した。

 それによって誕生したのがP14エンフィールド小銃であり、P14はイギリス軍に採用されSMLEの不足を補う事となった。


 しかし、1917年にアメリカがドイツ帝国に宣戦布告してWW1に参戦すると、今度はアメリカ軍制式のM1903スプリングフィールド小銃が不足してしまったのだ。

 これに対しアメリカは国内で生産されているの他の小銃をもってM1903の代替とする事とし、その候補に挙がったのがP14だった。

 こうして、P14は元々のイギリス軍仕様からアメリカ軍仕様へと改められ、こうして誕生した本銃はM1917エンフィールド小銃として制式採用されたのだ。


 さらには、それまでのイギリス軍からの需要に対応すべく大量生産体制が整っていた為に、本銃のWW1における生産数と配備数は本命であるM1903を大きく上回り、1918年11月11日にWW1が休戦した時、欧州に派遣されていたアメリカ軍兵士の実に75%が本銃で武装していたという。


 そしてWW1が終結すると、多くのM1917は余剰兵器として処分されたが、一部の保管兵器として残されていた分はWW2でまたしても発生した小銃不足の穴埋めを勤め上げた他、他国へのレンドリース兵器としても活躍した。


 ちなみに、そのレンドリース先や戦後余剰の放出先に、レガドニア協商連合のモデルにもなっているデンマークとノルウェーも含まれている。

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