第21話 感性
「人って強いものなのだろうか」
僕はつぶやいた。
「それほど強いものとは思わないわね・・」
と
「一見強そうに見える人でも心まで強いとは言えないと思う」
三鶴城は川辺の野原を見て呟く。僕達は近所の川辺にいた。
今は放課後。
「どんな人でもその心の中では色々と考えているものよ。表面では明るそうに振舞っている人が心の中では苦しんでいるのかもしれない。そういうものは表面からは中々伺いしれない」
「人はどうすれば救われるんだろうか」
「多分お互いを思いやることかしら。人は孤独ではつらすぎる」
「ほとんどの人は孤独が耐えられないので何かと繋がろうとする。それはテレビであったり、インターネットであったり。それらに馴染んでいる人はもしそれらがなくなるとすぐさま孤独だということを実感することでしょう。インターネットでの繋がりとか所詮擬似的なもので儚く脆いものだと思う」
「そうかもなぁ」
「本を読んだり音楽を聴いたりとかするというのも何か人の温もりというのを感じたいのかもしれない」
「孤独では耐えられないので神を作りだしたりとかもする」
「インターネットとかただの文字。それでその人がわかるわけでもない」
「感性がつよくて繊細な人は人の痛みとかをより多く感じるのかもしれない」
三鶴城未知瑠は言った。
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