第19話 文芸部
「SFみたいな非常に高度に科学技術が発達した未来ってあるんだろうか」
「・・多分ないわね。それまでに人は地球のエネルギーを使い果たしてしまうでしょうから」
僕は文芸部の部室で火影千草と話していた。
僕はたまに文芸部に行ってそこにある本を読んだりしている。
火影は別に構わないそうだ。文芸部の部員は火影とあと1人しかいないという。その1人はほとんど学校に来ていない。
今は放課後だ。
「宇宙のエネルギーを使うとかは・・」
「・・どうやって取りにいくの。そのようなエネルギーはないようだし。石油にしろウランにしろ地球でないとできないでしょう・・よくアニメと漫画で人が宇宙で普通に暮らしていたりするけど、あのような未来は多分来ないと思う。宇宙は人や生物が生きていくにはあまりにも過酷な環境だし、食べ物とかも全くない。地球でしか生命は確認されていないということはやはり地球でしか長時間生存できないんだろうと思う。重力の問題があるし病気になったりとかするかもね」
僕と火影は部室の机を挟んで椅子に腰掛けていた。机の上には数冊の本が置かれている。
「SFロボとかも無理でしょうね。あれを作る材料も技術もないだろうし。操作方法もよくわからないし。そもそもあのような細い脚で立つことは無理だし。あれで空を飛ぶとか不可能だろうし」
「随分言いきるものだな」
「単にそう思うだけ」
僕は前に置いてあるお茶を飲んだ。
「んー無理そうか。んー。火影が思う未来ってどんな感じ?」
「まぁ大きな戦争もなく無事にやっていければ後1、2世紀くらいで資源は枯渇して文明レベルは16世紀くらいに戻るかもね」
「ふむ・・」
「地球環境の破壊が進んでいるので生物が持つのかも気になるところね」
火影もお茶を口にした。眼鏡越しの瞳で僕を見る。
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