第13話 話

 彼は戦場にいた。

 大体戦国時代。

 ある大名とある大名が領地を争って戦っていた。

 総勢4000対4000くらいだろうか。

 朝から合戦が始まり今は夕方になっていた。

 彼の名前は平助としておこう。

 彼の周囲にはおびただしい数の死体が転がっていた。

 手足や首を切り落とされた者やまだ虫の息はしているが絶命寸前の者。

 両軍とも疲弊しきっていた。

 平助はといえばともかくできるだけ逃げ回っていた。持っていた槍で数名殺したが。

(・・やってられんなぁ・・もう。まだ命があるだけマシか。しかし戦場ってものはひどい所だなぁ・・かっこよさとかまるでありはしない。どいつもこいつも獣のようで気が変だし。人間の来るようなところではないな・・)

 とか思っている内に平助の背後から槍を突き刺したやつがいて、そして彼の首は小刀で深く切られ平助は血を吹き出しながら絶命した。

(すまねえ・・おっかさん・・もう会えない・・)

 というのが彼が思った最後の思念だった。


 藤山田ふじやまだはここまで書いたがう〜ん・・というような表情を浮かべた。

 あんまりおもしろい話とはいえないような。とか考えてた。

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