第14話 小説のような

 彼は零戦乗りのパイロットであった。

 日本はまぁかなり負けていて軍は特別攻撃隊という敵艦に体当たりして大打撃を与えるという作戦をつくった。

 それで誰がそれをするかという話が出たが上官からこれは大変名誉なことなので素晴らしいことなのだとか言っていた。天皇陛下もお喜びになるだろうとか何とか。

 ・・まぁ爆弾を抱えて走って敵陣地に走ったりするよりはマシな感じなんだろうか。

 どうせこのまま軍にいても米軍に突入させられて死ぬだけであるし、零戦で突っ込んで死ぬというのはかっこいいのかもしれない。

 ・・満州あたりを争って血で血を洗いまくる戦闘などがあり、そして中国全土で戦火が燃え広がり、日本は段々連合国に追い詰められていき東南アジアくらいまでいきそこでもかなりの戦闘などがあった。連合国は日本、ドイツ、イタリアを除いた国だろか。

 日本はかなり破れかぶれみたいな感じになっていた。

 ・・何でこんなことになってるんだろうな・・。もう勝ち目などないだろうに。

 国は兵隊を物のように扱っていた。安い命だ。

 ・・何なんだろう・・この国は。まぁ弱音を言うと殴られてどやされるし。

 遺書くらいは書いとくか。

 などと考えていた。


 ・・と鈴木佐は話を書いていたけど、あんまり調べずに記憶を頼りに書いたのでいい加減なところがあるかもしれない。

「あんたちゃんと資料とか調べて書いてる?」

 白鳥佐紀は言った。

「んーそんなに」

「図書館くらいは行きなさいよ、歴史物とか書くなら」

「へいはい・・」


 で作戦当日の日、彼はまぁやっとこの世から解放されるみたいな感傷を抱いていた。

 絶対痛いに違いないが一瞬で終わるだろう・・。誰か自分のことは覚えているんだろうか。まぁ自分はまだましな方なのかもしれない。何がましなのかは知らんけど。

 さっさと戦争をやめれば死ななくていいのにな。などとグダグダと。自分の名前くらいは残るだろう。


 藤山田は窓の外の空を見た。・・続きとかはまた書くか。

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