第9話 火影

「絶望した・・絶望した・・絶望した・・」

僕はそう言った。


「ああ、そう」

と言ったのはクラスメートの火影ほかげ千草ちぐさ

彼女は文芸部員だ。


「で、何に?別に興味は1ミリもないけど」

と眼鏡を少し上げて火影は言う。


先日あの不良らに僕はしこたまなぐられて僕は腕にギブスをはめ松葉杖を付いていた。2週間ほど入院していたがようやく退院できた。

白鳥佐紀はあの後何とか逃げれたのだが・・。


「いやぁ・・痛々しい姿ですねぇ・・」

火影は言った。彼女はショートカットで眼鏡をかけている。顔は可愛いと言えると思う。

「痛々しい・・マジで痛かった・・」

「しかしあの城北の北島に目を付けられるとはねぇ・・あいつはこの辺りで最もおそれられているろくでなしなのに」

「これでも大分治った方なんだよ・・1週間くらい起き上がれなかった」

「まぁ・・ころされなかっただけマシだよ、あいつらに」

「それは流石に犯罪だろう・・いやこれでもそうだと思うが」

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