第8話 コンビニ
「白鳥佐紀、最近の日本についてどう思う?」
下校途中コンビニの前でオレンジジュースを飲みながら僕は言った。
「今度はあなたからかしら」
彼女は僕を見て言う。
「・・そうね・・かなり救いようがない精神状態にあるような感じがするわ」
「精神状態?」
「そう、いわゆる被害妄想的な。パラノイア的な。そういう人が増えてるように思う」
「ふーむ」
「これはおそらく国のトップがそういうような感じを持っているので伝染しているのかもしれない」
「ふーむ」
「ルサンチマンというか逆ぎれというか被害妄想というかそういうものが伝染しているような気がする。要するにあぶない精神状態にある人が増えてる感じ」
「ふーむ・・それはあれだな」
「それはここ数年の話ね。そういう状態にある場合、何をしでかすかわからないのであれな感じがするわ」
「ふーむ」
白鳥佐紀はコーヒーの缶を開けて飲む。
「おい」
何者かが僕の肩に手をかけてきた。
振り返ると学ランを着て髪をリーゼントにしたごつい感じの男がいた。
身長は180cmくらいはあるだろうか。
彼の後ろにはこの前白鳥佐紀が蹴り蹴り倒して僕が加勢して倒した学ランを着た不良が3人いる。
「てめえが俺の舎弟を倒したとかいうやつか。俺は城北の北島ってモンだ。ちょっとツラ貸せや」
「あ?」
僕は言った。
「嫌だね」
「あらあら今度はボス猿のお出ましかしら、フッ・・」
白鳥佐紀が煽った。
「てめえら・・無事に帰れると思うなよな・・オイ!」
北島はそう言うとコンビニの隣のビルの角から学ランを着た男達が20人ほど出てきた」
「白鳥佐紀・・」
僕は言った。
「・・ええ・・」
「走るぞ!」
僕はそう叫ぶと白鳥佐紀と共にその場所から全力で駆け出した。
・・さすがにあの人数にはかなわない・・。
「逃すな!!」
北島は舎弟らにそう叫ぶと全員が僕達を追いかけてきた。
□ □ □
その後僕と白鳥佐紀は何とか不良達から逃げて、波止場にある倉庫に身を潜めたのだった。
その時の
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