第5話 珈琲とミルク
すると、A.I.ロボットであるメイが優し気な笑顔で出迎えてくれ、直ぐに神々しくも珈琲を炒れてくれた。いや、まさに女神の如しだ。
しかも驚くなかれ、豆からだっ!
実は、メイがやって来たその日からなのだが。本格的な珈琲ってのは案外、専用の機械なんぞなくても普通に淹れられるものなんだなぁ~、なんて風に今やオレは勘違いをしておる。
但し、その作り方ってのが少々といわず、相当に、変わっていると思われ……。まあ、ココまでに色々とツッコミを入れたくなる気持ちも分かりはするが、これから始まることをとくと見ておいてくれ。
【うちのメイが淹れる、珈琲の正しい(?)淹れ方】
え~っと先ずは、珈琲豆をサラサラと口の中へと無造作に入れまして、それからモグモグと食べます……。
あくまでも、メイがだよ?
それから間もなく、メイのお腹の中でガリガリ☆と豆を砕くような音が聞こえ始め……。次に、沸かしたばかりの熱湯を、その可愛いらしい口からゴクゴクと飲み干し……。それでもってしばらくすると、次第に良い香りがメイの口の中から辺りに漂い始め。そのあと突如として、胸の谷間も見えるほどのメイド服の上へと恥ずかし気にそっと手を添え。それから、前のボタンを頬を真っ赤に染めつつも1つひとつ外し始め……。「もう、これ以上は無理ですよっ♡(照れっ♪)」とばかりに、ピラりん♪と大胆にも色白な締まったお腹を見せつけ。間もなく、そのお腹がパカリ☆と開き。中から、淹れ立ての珈琲入りサーバーが『うぃ~ん♪』と機械的に現れおる……。
メイはそれを手に取り、優しい微笑みを浮かべ、途中から鼻血を垂らしながらデレ~っと見つめていた親父の珈琲カップの中へとそぉ~っと容れ、「どうぞぉ~♪」と空いてる方の左手で軽く胸元を押え隠しつつもチラチラとさり気なく見せ置く見事なまでのチラリズムで、親父は興奮絶頂も間もなく飛んで襲いかかるが。それに早くから勘づいていた激怒の母から空中で掴まれコブラツイストからのブレーンバスターを見事に喰らい、その場にて撃沈……。
その間に、メイは何事も無かったかのように
次に、オレには近いこともあって、頬を真っ赤に染めたまま、萌えな笑顔で注いで優しく手渡してくれた。
オレは、それを受け取り「あ、ありがとう~……」と赤面中。
「あ、はぃ♪ どう致しましてぇ~若様♪」
「わ、わかさま……」
そこで軽くお辞儀をしてくれたのだが、その時にぷるん♪と胸の谷間が揺れ、バッチリと間近で見えた。
いや、あくまでも爆乳な谷間がねっ!
オレはそこで、『ぶふぅ──っ!』と軽く鼻血を二メートルほど飛ばしまくりの興奮しまくり。
そんなオレを見て、彩は当然のように呆れ顔。
ついでに、ステファまでもが『基哉、お前は案外、最低な奴なのだな……? 少しばかり、軽蔑したぞ』と寒々しいコメント。
いやいや、ステファさん。あれだけ話も聞いて、構ってやったと言うのに、何て冷たい奴なのだね、君は?
まあ~。とは言え、別に構わん!!!
オレは、既に大満足だっっ!!
「あ、えとっ……」
オレは、その豊満な胸の谷間を、『ゴクリん!』と、それとなく頬を赤らめ横目に覗き込み。あくまでも冷静を装いながら、不自然に咳き込み、真顔でコナン少年の如く聞き込みを開始。
「ミ、ミルクありますかぁ~っ?」
「──ミ!? ミルク……ですかあーっ?!」
なんだ? この恥ずかしがるご様子はッ?! 明らかに、疑わしい限りではないかあーっ!
はあ、はあっ、ドキドキ♪
「実をいうと……コレは、ちょっとだけ恥ずかしいのですが。
はいっ、モチロン。ありますよっ♪」
「は、恥ずかしい……?♡」
そう意味深にメイは言うと、何故か急に腕をオレの前にシュッと真っ直ぐに差し伸ばし。その華奢な腕が、途中でマジンガーZバリに『パカリ☆』と上に開き。そこから更に、小さなロボットアームが極小カップを持って飛び出して来て、そいつがくるりん♪と反転し、コーヒーカップの中へと、ミルクを鮮やかに注いでおった……。
「あ……ありがとう~…」
御礼を言いながらであるが、オレは今、ムンクの叫びな心境だ。
この気持ち、わかって貰える?
そんな中、
「あぁ~ん、もぅ~恥ずかしい~っ♪
基哉さんのエッチ♡」と、メイは頬を真っ赤に染め、恥ずかしそうに身を捻っておる。
それ自体は、疑いようもなく可愛い。ああ、間違いない。
だがオレは、敢えて此処でこう叫んでおきたい。
というか、是非、叫ばせてくれっ!
───────────────────
ここまでやっといて、そりゃあ~~無いでしょ──っ!! 叔父さんッツ!!!
───────────────────
そんなオレを、それまで黙って半眼に見つめていた妹の彩が、更に、この世の終わりとばかりの呆れ顔を見せ。次に、こっちを指差し吹き出し大笑いし。ソファーを壊す勢いで叩きつつ、腹を抱えながら遠慮の欠片もなく、ゲハゲハ ▪わはは!と勝手にツボに嵌りまくって爆笑してやがる……。
よく見たら、ステファまでもだ。
オレは、そんなステファを遠目の半眼に見つめ、わざとらしく意地悪くこう言ってやった。
「コレコレ、そこのただの箱……。そのうち、《燃えないゴミ》として棄ててやるから、覚悟しとけよ?」
『……基哉。今、笑われたのは、自業自得ではないのかぁ?
だとすれば、そこで
違うか??』
「…………」
そんなステファの純朴な受け答えと、正論に。オレの心は、もう鼻血も出ねぇーや…。
「はぃ、正解……です」
◇ ◇ ◇
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