第4話 新たなる日常

基哉もとやさん、朝ですよぉ~っ。起きてください」

「ん~……んー、もう少し…」


 と、その時。オレの左腕に、ふわっと柔らかな心地よい感触が当たった。

「……。──ぅわっ!?」


 オレはベットから飛び起き、左手に立つモデルばりの美麗な女の子(設定年齢16歳)を見て、思わず驚いた表情を向けた。

 そうだった。つい数週間前、家にとんでもないが届いたのだ。

  今、目の前に居る可憐な美少女は、そこでにっこりと優しい微笑みを浮かべる。


「朝御飯の用意が出来ましたから、早目に降りて来てくださいねっ♪」

「あ、あぁ……はいっ」


 

『基哉、起きたか? 暇だ、早速お話をしよう~』

「…………」

 居間へ降りて間もなく、オレは、そこでもう?の存在を思い出し、困り顔と苦笑いを同時に向けた。

 どうやらステファの奴は、テレビを観ていたらしい。

 ステファとは、《ライラノ社製》型式FMR01-A01型フェアリーメイドA.I.ロボット・メイとセットでやって来た、ステレスケース。つまり、ただの。だけど、これがまたよく喋る。

 実は数日前、居間で1人?退屈そうにしているステファを見兼ねて、母さんが考案し、父さんがそこに設置したのだ。


 そんな訳で、今やうちでは、テファと間とレビはワンセットだ。オレの大切な家の中でのくつろぎの場を返してくれ。

 

「お兄ちゃん、おはよっ。モグモグ♪」

「ああ、おはよ。ひかり


 居間では、妹の彩がモクモクと朝御飯を美味しそうに食べていた。相変わらず、我が妹ながら可愛い笑顔だ。


『ちょっと待て、基哉。その前に、わたしへの大事な挨拶を忘れているぞ?』

「……ぉはよ、ステファ」


 オレは間を置いて、半眼に簡単な挨拶を返した。


「……悪いがステファ。オレはこれをさっさと食べて、直ぐにでも学校へ行かねばならん。

そんな訳で、話相手は帰ってからにしてくれ。今はめちゃくちゃ忙しい」

『それは、寝坊した基哉が悪いのだろう?』


「──ぐっ」正解しているだけに、何とも言い返せない。

「あはは♪」と明るく、箸でこのオレを指しながらひかり。ちょっとお行儀が宜しくない。


 にしても彩、お前まで一緒になって笑うことはないだろう。

 そう思っていると、ステファが更に呑気な調子でこう繋げて来た。


『そもそも今日は日曜だ。この日は、学校なるものはお休みの筈だが……。これから何処へ行くつもりなのだぁ、基哉?』

「……あ」


 妹の彩が、そこでもまた吹き出し、お腹を抱えながらケタケタと大いに笑ってやがる。


 チクショ~っ。


  ◇  ◇  ◇

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