12月11日 百円玉記念日
やあやあ諸君。
私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。
諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。
私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。
本日2017年12月11日は『百円玉記念日』である。
百円玉記念日は、1957年のこの日に、板垣退助の肖像の紙幣に変わり百円硬貨が発行された事を記念し制定された一日である。
頼りないが、財布にあると嬉しい百円玉。塵も積もれば、と言う様に小銭を貯金している人もいるかと思われるが、日本の法律では一回の支払いで同じ硬貨を21枚出した場合、法律で保証した通貨として認められないことを意味し、お店側は支払いを拒否しても良い事になっているので是非ご注意を。
日本には今6種類の硬貨が出回っているが、百円玉はこのなかで三番目に大きい。一番は言わずもがな500円玉であり、二番目は10円玉だ。硬貨は一つとして同じサイズが無い。これは、手触りだけでいくらであるのかを識別できるようにしている為である。
百円玉に描かれているのは桜の花であるが、で始めは鳳凰が書かれており、後に稲穂へと変わった。桜になったのは三代目である。しかし、この間に重さ、大きさは一定を保たれた。
昨年、28年に作られた百円玉の数は461,064,000枚である。つまり、百円玉だけで400億円以上が作られている。たったの、一年で。
東日本大震災から目に見えて物価は上がった。ある落語家の話によれば、モノの値段が安くなるなんて事は永遠に無いそうで。一度安くなったかと思えば新しいモノが出てまた高くなる。需要が無くなったモノは希少価値がついてまた高くなる。そんな、繰り返しが続くんだそうだ。
百円を出して高いと感じるもの。逆に安いと感じるもの。それはいつだって変わらない。変わるのは人間の方である。
例えばもし、諸君が宝くじを当選させたとすれば百円なんて拾うに値しなくなるだろうし、例えばもし、諸君が病気にかかったら百円でも重みは変わってくると思う。
たかが小銭と侮らず、いつでも百円玉を大切にする事が、貯蓄の神髄であると私は考える。
今日は百円玉記念日、特別な一日である。
我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。
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