12月10日 ノーベル賞授賞式
やあやあ諸君。
私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。
諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。
私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。
本日2017年12月10日は『ノーベル賞授賞式』である。
ノーベル賞授賞式は、スウェーデンの科学者アルフレッド・ノーベルが1896年に亡くなった日に彼の遺言に基づいて制定されている。
物理学・化学・医学・文学・経済学の各賞はスウェーデンの首都・ストックホルムで、平和賞はノルウェーのオスロで授賞式が行われる。賞の選考はノーベルが生まれたスウェーデンの研究機関が行い、平和賞だけは、創設当時スウェーデンと連合王国だった関係でノルウェーで選考される。賞ごとに選考委員会を作られ、世界中の大学や専門家に推薦依頼を送って、その返答をもとに受賞者が選ばれる。
因みにアルフレッド・ノーベルは350もの特許を取得し、中でも有名な発明と言えばダイナマイトである。ダイナマイトの開発で巨万の富を築いたことから、「ダイナマイト王」とも呼ばれた。
ノーベル賞の授賞式は毎年行われているわけだが、さて、諸君らは今年2017年に受賞した人たちを知っているだろうか。
今年のノーベル化学賞は、「クライオ電子顕微鏡の開発」に授与された。物理学賞では「重力波」のバリー・バリッシュが。そして文学賞では『わたしを離さないで』のカズオ・イシグロが受賞している。
スマートフォンも、パソコンも、映画も料理も勝手に進化して進歩していくわけではない。そこにはいつだって人の苦悩と膨大な時間が費やされている。ノーベル賞の表彰台に立てなかった人にも、私は是非とも賛美を送りたい。
今日はノーベル賞授賞式、特別な一日である。
我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。
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