10月26日 原子力の日

 やあやあ諸君。

 私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。


 諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。

 私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。




 本日、2017年10月26日は「原子力の日」である。


 原子力の日は日本政府が1964年に制定した一日である。

 1963年に茨城県東海村の日本原子力研究所で日本初の原子力発電が行われた事が起因している。また、1956年には日本が国際原子力機関に加盟した日でもある。


 東日本大震災の福島原発事故以来、関心の無かった人にも原子力発電の危険さが身に染みてわかっただろうと思う。歴史を辿ればチェルノブイリや東海村の事故等、数えきれない失敗を繰り返してきたが、戦争と同じく、それらを知らない世代にはピンと来ない。


 原子力とは、人類が手にした最大のエネルギーである反面、未だ制御しきれているとは言い難い。一歩間違えば取り返しのつかない事態を引き起こすのは言うまでもない。

 今、地球には76億人が住むと言われている。だが、地球は一つしかない。本日は原子力の日、そして2017年10月26日は「反原子力デー」でもある。


 多数決で決めるにはあまりに大きすぎる問題。正解なんてないのかもしれない。答えなど永遠に出ないのかもしれない。

 だからこそ、後に後悔しないように今日一日をしっかりと生きていく必要がある。


 諸君、今日と言う日に祝福を。




 今日は原子力の日。特別な一日である。

 我々は本日を祝福し、過ごさねばならないだろう。

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