10月25日 世界パスタデー
やあやあ諸君。
私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。
諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。
私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。
本日、2017年10月25日は「世界パスタデー」である。
世界パスタデーは、1995年のこの日、イタリアで世界パスタ会議が開催された事を記念し、EUやイタリアパスタ製造業者連合会などが合同でパスタの販売促進キャンペーンを行っている一日である。
さて、諸君らはパスタとスパゲッティの違いを即座に答えることが出来るだろうか。ヒントを出すとするならば、パスタはスパゲッティとは限らないが、スパゲッティはパスタである。
その答えはスパゲッティと言う単語の意味を知ればすぐにわかる。スパゲッティとは、日本語に訳すと『紐』となる。つまり、我々のよく呼ぶパスタ、麺状のパスタの事をスパゲッティと呼び、スパゲッティを含むペンネやマカロニ等の、イタリアの小麦粉の加工製品をパスタと呼ぶのである。
イタ飯と呼ばれ、高級のあるイメージを持っていたパスタであるが、実際はイタリアの家庭料理であり、気軽に楽しむことが出来るメニューだ。日本ではイタリアンの店に行けば必ずと言っていいほどタバスコが置いてあるが、タバスコとは本来メキシコで生まれた調味料であり、本場イタリアでは使用されていない。カイエンオイルと呼ばれる唐辛子を漬けたオリーブオイルが使われるのが常識である。
また、日本ではスプーンとフォークを使って食べることがマナーとされている。が、イタリアでパスタにスプーンを使うのは子供だけである。大人はちゃんとフォークだけでスパゲッティを食し、むしろスプーンを使う事は行儀が悪いとされている。
さらにスパゲッティの一つであるナポリタンはイタリアには存在しない。そもそもナポリタンは日本発祥のスパゲッティである。イタリアン(イタリア料理)のナポリタン(イタリア南部の都市ナポリの料理)と、よく考えれば地名に地名で非常にくどい。
と、こんな風に、イタリアでは当たり前の事でも、間違って日本に広まっている事が多々ある。まあそれもパスタだけに、長い物に巻かれる日本人の性質からすれば致し方の無い事なのかもしれない。
今日は世界パスタデー。特別な一日である。
我々は本日を祝福し、過ごさねばならないだろう。
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