9月10日 世界自殺予防デー
やあやあ諸君。
私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。
諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。
私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。
本日2017年9月10日は「世界自殺予防デー」である。
世界自殺予防デーは、2003年に世界保健機関と国際自殺防止協会がストックホルムで開催した世界自殺防止会議で制定した一日である。世界自殺防止会議の初日となっている。
2013年のデータでは我が国、日本は十万人中21人が自殺をしている。この統計で言えば、世界ワースト7位に位置するのだが、日本の場合は変死として処理される事が多いそうだ。故に、事実はそれよりも深刻なのかもしれない。
また、他国では鬱病や金銭面、いじめなどで追いやられての自殺が多い事に対し、日本の場合は他社とのコミュニケーション障害や、狭い社会で適応不能に陥っての自殺が多い事があげられる。これは先進国には珍しい傾向で、発展途上国に混ざってのランク入りは異常であると言わざるを得ない。
かつて日本には腹切りと言う文化が存在した。言わずもがな武士が己の忠誠を示しての自害であるが、潔く死ぬ事は、この平成の世に受け入れられていない。
それにもかかわらず自殺者は後を絶たない。仕事を原因とするならば退職すればいいだけだし、いじめを原因とするならば転校すればいいだけ。なにも、それからの人生で得られる幸福全てを投げ捨てて命を絶つ事はないんじゃないか。なにか、解決策はあるのではないか。周りの目にはそう写るだろう。だが、当の本人はそんな事見えていない。見渡す余裕が無いからこそ、自殺と言う結論を導き出してしまう。
どれだけ呼びかけても自殺はなくならない。当たり前だ。例え本人の耳に届いたとしても、自殺と言う選択以外に答えは見つからないからだ。
ならば、周りが止めてやればいい。声を掛け合い、支え合えばいい。それこそが自殺を食い止めれる最善の、唯一の方法だと、私は考えている。
今日は世界自殺予防デー。特別な一日である。
我々は本日を祝福し、過ごさねばならないだろう。
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