7月22日 下駄の日

 やあやあ諸君。

 私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。


 諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。

 私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。




 さて、本日2017年7月22日は「下駄の日」である。


 下駄の日は全国木製はきもの業組合連合会が制定した一日である。7は下駄の寸法を表わすのに「七寸七分」というように7がよく使われることから。22は下駄の跡が「二二」に見えることからこの日に定まった。


 今や下駄と言えば祭りの際にしか見なくなった。浴衣姿に下駄が「カランカラン」と音を立てる様は、微妙な男でもイケメンに見える催眠効果が期待できると言う。

 実に涼しげで雰囲気を出してくれる音であるが、場所によっては騒音とみなされたり、また、地面を傷つけてしまうと言った理由で下駄お断りの場所もある。対策として歯先にゴムが付けられたものも売られている始末だ。


 下駄の歴史は古く、遡れば弥生時代の遺跡からも発掘されている。日本で最も古い履物と言われるそれは、田んぼの農作業に使ったり、湿地を歩くときに重宝されたと言う。


 機能性や利便性、あるいはファッションで、今はサンダルやクロックスなどを履くものが多いが、日本の伝統文化として、せめて夏祭りに行くときだけでも下駄を履いてみては如何だろうか。日本人であるならば、下駄の醸し出す音色にきっと心躍るはずだ。




 今日は下駄の日、特別な一日である。

 我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。

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