7月12日 ローリング・ストーンズ記念日

 やあやあ諸君。

 私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。


 諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。

 私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。




 本日、2017年7月12日は「ローリング・ストーンズ記念日」である。


 ローリング・ストーンズ記念日は、1962年のこの日、イギリスのロックバンド、ローリング・ストーンズが初めてロンドンのクラブに出演した事を記念し制定された一日である。


 実は私はローリング・ストーンズの事をあまり知らない。知っている曲と言えば『Jumpin Jack Flash』くらいのものである。ではなぜ、今日この記念日を書こうと思ったのかと問われれば、それは知名度について話したいと思ったからである。


 ローリング・ストーンズをあまり知らない私でも、その名前は良く知っている。諸君らの中にも私と同じような人が多いのではないだろうか。なにもローリング・ストーンズ、歌手に限った話ではない。


 例えば昨年流行った映画、『君の名は』。公開初日からとんでもない興行収入を記録し、日本に住まう物なら知らぬ者はいない程その名は知れ渡った。だがしかし、なかにはそれを見ていない人も当然いたはずだ。今もなお見た事がない人も多いかもしれない。だがきっと、『君の名は』という名前は知っているだろう。


 要はテレビで、インターネットで、日常会話で耳にする様な単語、いわば流行りものと言うのは瞬く間に伝染し、日本をあっという間に覆いつくしてしまうという事。例え多くの人が知っていたとしても、真の意味でその内容まで知っているとは限らないという事だ。


 PPAP、おぼれ死ぬぼーちゃん、ハンドスピナー。なぜ流行っているかまったくわからぬものが溢れるこの時代。真に良いものを自分の価値観で吟味する必要があると言える。

 裏を返せば、フォロワー数が付かなかろうと、PVが伸びなかろうと、一瞬その波に乗ることが出来れば一気に状況が変わる。私は今日もそれを信じて筆を取るのであった。




 今日はローリング・ストーンズ記念日、特別な一日である。

 我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。

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