7月13日 HOLLYWOODサイン設置
やあやあ諸君。
私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。
諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。
私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。
本日、2017年7月13日は「HOLLYWOODサイン設置」である。
実際に目にした事は無くても、テレビや映画で見た人が多いであろうHOLLYWOODと言う看板。設置されたのは1923年の事であり、元々は不動産屋の宣伝の為であった。
HOLLYWOODサインがあるのはアメリカ、カリフォルニア州ロサンゼルスのリー山の一角にあるハリウッドヒルズである。世界有数のセレブが住まうハリウッドヒルズであるが、この看板に対するいたずらや破壊行為が後を絶たず、修復工事が行なわれた際に破壊行為を防ぐセキュリティ・システムが設置されている。
ハリウッドサイン・トラストという非営利組織が、このサインの物理的な維持、修復、保全と、その歴史的、文化的重要性についての教育の普及、また、活動に必要な資金を集めることを目的として設けられており、サインの保全と営業活動にあたっている程である。
知る人ぞ知るところだが、1923年に出来た当初はHOLLYWOODLANDと、今よりも少し長い看板であった。もともと18ヶ月の耐久力を持つものと設計されていたが、半世紀もの間使用されると劣化が目立ってきた。さらに1940年代はじめ、サインの管理を行っていた人物が車の運転を誤り、リー山頂上から落下しHの文字を破壊してしまう。
新しく看板が作り直されたのは1978年の事であった。HOLLYWOODの9文字には1字づつ違う寄付者が付いており、9人がハリウッドサインの保存運動の為に寄付をしている。
そんなHOLLYWOODサインではあるが今年、2017年の1月1日にもある悪戯がされていた事を諸君らはご存じだろうか。
年を越した人々が新年の始まりと同時に見たその看板にはHOLLYWEED、つまりは大麻を推進する一文へと変わっていたのだ。
犯人は1月9日に警察に出頭し逮捕されるが、この犯人の職業はアーティスト。
彼はその後に1000ドルの保釈金を支払って保釈されている。たった1000ドルで世界に注目される作品を作り上げる事ができたと考えたなら、今後も真似をする輩が出てくるのかもしれない。
今日はHOLLYWOODサイン設置、特別な一日である。
我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。
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