7月6日  記念日の日

 やあやあ諸君。

 私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。


 諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。

 私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。




 2017年の開始と同時にあらゆる記念日を紹介してきた拙作であるが、そんな記念日にも記念日を制定した人がいる。その人は私の先輩というか、先駆者と言うか、多分言えばそんな辺りに分類されるであろう人物である。本日、2017年7月6日は「記念日の日」である。


 記念日の日は、毎日の様にある記念日にもっと関心を持ってもらおうと、『この味がいいねと君が言ったから 七月六日はサラダ記念日』と言う有名な一文を残した、記念日と言う言葉を広く浸透させた俵万智が1987年に出した歌集『サラダ記念日』に因んで制定された一日である。

 制定したのは、この小説でも日々お世話になっている『今日は何の日~毎日が記念日~』と言うサイトの運営者である。1998年、今より約20年前の事であった。


 今より20年も前から私と同じような事をしており、所詮私のしている事は二番煎じ、三番煎じであろうと思われるかもしれない。だが、それは違う! 断じてだ!

 なぜなら世にある記念日紹介サイト、小説、アプリ、機能は所詮その日に何があったのか、どういった記念日なのかを紹介するに過ぎない。だが、拙作はそれら記念日を知り、今日と言う日にどう活かすかを問うた小説である。過去に重きを置くそれらと、今日と言う日に重きを置く拙作は似て非なるものなのである。


 今日は記念日の記念日という事なのだが、どうだろう? 諸君らはこの小説を読んで一つでも現実生活に役立ててもらった事があるだろうか。もしあると答えて貰えたならば、私のやってきた事にも意義が生まれ、非常に光栄である。


 だが勿論、紹介できなかった記念日もいくつもあった。なんせたった一日に10個程違う記念日が被る日もあったりして、それら全てを語るには私の自由時間だけではどうしても足りそうにない。より多くの記念日を知りたいと思われた方は、一度『今日は何の日~毎日が記念日~』を除いてみたら如何だろうか。




 今日は記念日の日、特別な一日である。

 我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。

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