7月7日 七夕
やあやあ諸君。
私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。
諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。
私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。
七と書いて何と読むか、なな、しち。
夕と書いて何と読むか、ゆう、せき。
では二つ合わさって何と読むか→
!?
本日、2017年7月7日は「七夕」である。
七夕は日本だけの文化と認識している人が多いかもしれないが、実は中国、韓国、ベトナムと、世界中で行事が行われている。
そもそも日本の七夕の起源は中国にあり、奈良時代に海を渡って伝わったものとされている。それが日本にあった
七夕で有名な話が彦星と織姫の話だ。
一年に一度、天の川を渡り二人は出会うのであるが、二人は普段どこにいるのかと言えば織り姫はこと座の1等星・ベガで、彦星はわし座の1等星・アルタイルにいるのである。しかし、この二つの星の距離は約14光年程離れている。つまり、二人が会うには、光の速さで移動したとしても14年に一度しか会えない事になる。
もし仮に、家まで往復する事も考えて二人が光の28倍の速さで移動したとしたら、それならば一年に一度は会えるだろうがそれ以外の時間はほぼ移動に費やすことになる。なにより、ここで問題になってくるのは時間と言う概念だ。
アインシュタインの提唱した相対性理論を簡単に説明するならば、高速で動く物体と言うのは他の物よりも時間の進むスピードが遅れるという理論である。もし、織姫と彦星が毎年超高速でお互い会いに行っていたとしたら、二人の体感時間は一年どころではなくなってくるというわけだ。
恐らく世界で一番遠い遠距離恋愛をする二人であるが、そろそろ許してあげてもよいのではないだろうか。私はそう思い、短冊に『織姫と彦星が一緒に暮らせますように』と書き込むのであった。
今日は七夕、特別な一日である。
我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。
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