6月25日 指定自動車教習所の日

 やあやあ諸君。

 私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。


 諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。

 私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。




 田舎暮らしであれば生活の必需品となっている車。諸君らは免許を持っているだろうか? 多くの人は免許を取る時に教習所に通うだろう。だが、一昔前までは教習所と言う存在などなかった。本日、2017年6月25日は「指定自動車教習所の日」である。


 指定自動車教習所の日は、1960年のこの日、道路交通法改正法が施行され、公安委員会が指定した自動車教習所を卒業すると運転免許取得時の技能試験が免除される制度が定められた全日本指定自動車教習所協会連合会が制定した一日である。


 先ほども書いたが、それまでは免許を取るには免許センターで一か八かの一発免許に挑戦する必要があった。一発免許とは、教習所には通わずそのまま免許センターで即日試験を受け、合否を明らかにするものだが、今現在の一発免許の合格率は平成27年で約5%。当時の免許取得の難易度は今より明らかに高かった。


 教習所が出来てからは、それこそ高い学費を払う事になるわけだが、それでも確実に誰でも気軽に免許が取れるようになった。悪く言えば金さえ払えば誰だって免許が取れる時代になった。

 若者の車離れと言われているが、それでも身分証として、就職の為、そして万が一の事態の為に免許を取る人は多い。実に新成人の半数以上は免許を保有している。


 国によっては16歳から免許が取れる車であるが、やはり懸念されるのが事故である。人殺しの道具として十分すぎる殺傷能力をもった車。今一度、ハンドルを握る際は、教習所に通っていた初心を思い出し、注意深く運転してもらいたい。




 今日は指定自動車教習所の日、特別な一日である。

 我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。

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