6月22日 ボウリングの日

 やあやあ諸君。

 私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。


 諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。

 私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。




 本日、2017年6月22日は「ボウリングの日」である。以上。







『今日と言う日に祝福を 第169話 更新未遂事件 後編』




裁判長「それでは、裁判官の意見を聞いていきます。裁判官A、あなたの意見はどうですか?」


裁判官A「私は無罪と言う意見です。理由は、日本では疑わしきは罰せずと言う原則を示しており、確かに被告人は更新はしなかったかもしれませんが、そこにはなにかしらの理由、事情があったものだと考えるからです。鮮度を上げるために、なるべく書き溜めをせずに毎日更新と言っても、人間である限り時間は有限であり、時には予期せぬ出来事も起こり得る中、その一つ一つを挙げていてはだれも毎日更新小説を書かなくなってしまい、ウェブ小説業界自体の衰退に繋がってしまうと考えられます。従って、被告人は無罪だと主張します」


裁判長「では、裁判官Bはどうですか?」


裁判官B「裁判官Aの意見はよくわかります。ですが、これを許していてはいずれまた更新しない日が出てくることでしょう。毎日更新の小説は、読者にとって毎日の習慣になりつつあります。その更新の滞りは、例えるならば朝のコーヒーが飲めないだとか、夜の晩酌が出来ないだとか、生活の一部。習慣の一部を切り取られてしまう事と同義です。また、今回が初犯ではない被告人の言動からもその辺りの認識の甘さが読み取れるため、私は有罪を主張します」


裁判長「私の結論は、更新未遂罪のみを認めた罰金7万円です。理由ですが、私も毎日小説を投稿している身で、被告人、いや、カクヨムの書き手全員の書くという辛さ、難しさを知っているからです。最初は楽しくて始める人が大多数だと思いますが、長く書いているうちに書けない日があったり、なにも思い浮かばなかったりするのは人間として仕方のない事かなと考えます。そんな時は時間を空けてみる事も一つの対処法ですので、更新が間に合わない事も罪に問うべきではないと私は主張します」


裁判長「それでは、裁判員の意見をお聞きしたいと思います。どなたでも結構です。意見をお聞かせください」


裁判員A「私は短編を不定期にあげているのですが、やはり本人が毎日更新を謳った以上それを続けることには一つ義務感を抱いた方がいいのではと思いました。出来ないのであれば最初から短編としてあげればいいのではないかと。以上です」


裁判員B「先程の方がおっしゃりましたが、『今日と言う日に祝福を』のコンセプトはその当日が如何なる記念日であるかの紹介にあります。よって不定期更新ではその持ち味が薄れてしまいますので、毎日更新でないと意味を為さない様に感じます」


裁判長「それではこれで協議を終わり投票に入ります」


「それではこれより投票に入ります。三つの結論の内いずれかに〇をつけてください。それ以外の意見の人は空欄に書き入れてください」




 投票・集計後




裁判長「それでは、判決を言い渡します。被告人は前に出てください」


裁判長「では、裁判員の方を見たまま聞いてください。今日と言う日に祝福を 第169話 更新未遂事件、被告人いずくかける。レクイエムにて懲役1050年の刑に処する。この刑が確定してから1時間、刑の執行を猶予する。理由、被告人いずくかけるは平成29年6月の20日、毎日更新を謳う『今日と言う日に祝福を』の更新を滞らせ、また読者の期待を裏切り、さらにはそれをネタに3日分の更新を裁判調の自虐ネタとして取り扱った罪はあまりに大きい。知人であるとはいえ、小説家「うみ」氏の名前を勝手に使用した罪にも問われている。情状酌量の余地なく、被告人には反省の色が見えない為、懲役1050年のレクイエム行きを宣言する。では、これにて閉廷します」




※参考 駿河台大学 罪のゆくえ模擬裁判




 今日はボウリングの日、特別な一日である。

 我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。












 本当にすいませんでした。

 明日から頑張ります。

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