6月18日 海外移住の日

 やあやあ諸君。

 私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。


 諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。

 私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。




 諸君らは海外に行った事はあるだろうか。遊びで、用事で、仕事で。目的は何でもいい。海外に行ったことがある人は、では、そこに住みたいと思ったか考えて欲しい。これを読む多くの人は日本に生まれ、日本に育っているだろう。だが中には、日本を離れ、海外での生活に移った人もいる。本日、2017年6月18日は「海外移住の日」である。


 海外移住の日は、1908年のこの日、本格的な海外移住の第一陣781人を乗せた笠戸丸が、ブラジルのサントス港に到着した事を記念し、1966年に国際協力事業団が制定した一日である。


 海外生活に憧れを抱いているのは私だけではないはずだ。だが、金の問題や仕事の問題、そして一番は言語の問題とそのハードルはあまりに高い。もし世界が日本語や英語で統一してくれていたなら、どれだけ国境の壁が低くなっていただろう。


 よく映画やドラマで、一獲千金を得たら日本を捨て、税金や物価の安い海外に移住すると言う話をよく聞く。その場合は東南アジア辺りの移住が望ましいのだろうが、やはり言葉が気になるところだ。例えば移住したい国ランキングで上位に名を連ねる『マレーシア』。母国語はマレーシア語であるが、そんなものまるでわからない。日本語が使える場所でなければ、私は生きていく自信がない。

 でもまあ移住したところで、一日中家の中でパソコンいじっているだけなら関係ないか……。




 今日は海外移住の日、特別な一日である。

 我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。

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