6月5日 ろうごの日
やあやあ諸君。
私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。
諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。
私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。
日とは誰しも、生まれてきたからには年を取る。思えば生まれてきてから今まであっという間であった。きっと今から30年後にも同じ様に感じるのだろう。今はまだ若くとも、諸君らは年を取った自分の姿を想像した事があるだろうか。本日、2017年6月5日は『ろうごの日』である。
ろうごの日は65《ろうご》の語呂合わせの元神戸市老人福祉施設連盟が制定した一日である。一概に老後と言っても何歳からを指すのかは定かではないが、私は定年後だと思っている。
生活をするために働いていた人間は、いずれ仕事をするために生活をする様になる。勿論自営業などの例外はあるが、定年を迎え、自由に生活できる日々が訪れる事を私は老後だと思っている。
しょっちゅう仕事に行きたくないだの辞めたいだのと駄々をこねる私である。仕事をしなくても年金と言う収入手段がある生活は羨ましくてしょうがない。
毎日好きな事が出来る生活。働かなくていい日々。
諸君らは一体どうやって過ごすだろうか。
ああ、想像しただけで心が躍る。そんな夢のような生活を手に入れる為にそろそろ寝なければなるまい。なぜなら私は明日も朝から仕事だからである。
今日はろうごの日、特別な一日である。
我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。
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